駐車違反20回、組織的に身代わり出頭か 運送会社捜索
朝日新聞12/15(金) 3:05配信

関東から九州にかけて拠点を置く運送会社「シモハナ物流」(本社・広島県坂町)の浦和営業所(さいたま市)で、業務中に駐車違反をした複数の運転手の代わりに、別の社員が出頭して処分を受けていた疑いがあることが、捜査関係者への取材でわかった。
埼玉県警は組織的に「身代わり出頭」をさせていた疑いがあるとみて、営業所を犯人隠避などの疑いで家宅捜索し、調べている。

捜査関係者によると、同営業所では2015〜17年ごろの間に約20回、業務中に運転手が駐車違反をした際、運転業務をしない管理職などの社員が運転していたように偽って警察に出頭し、違反の処分を受けていた疑いがある。
県警は9月末、犯人隠避や同教唆の疑いで同営業所を家宅捜索し、関係書類などを押収。
営業所幹部の統括所長や所長らから任意で事情を聴いている。
幹部らはこれまでの聴取に、身代わり出頭を大筋で認めているという。

運転手が運転免許停止などの処分を受けたり、運転者らが出頭しない場合に車両の使用を制限されたりするのを避けるため、営業所幹部が身代わりの社員を選んで出頭を指示するなどしていたと、県警はみている。
出頭した社員に金銭が支払われていた疑いもあるという。

営業所の統括所長は朝日新聞の取材に、捜査を受けていることを認めた上で、身代わり出頭については「内容は(警察に)お任せしているので、コメントできない」と話した。

同社の本社管理本部の担当者は「現時点でお伝えできることはない」としている。

ホームページなどによると、同社は関東から九州にかけて約50カ所に事業拠点を置き、主に食品物流を手がけている。
従業員約5千人で、17年3月期の売上高は382億円。


運送業者の身代わり出頭は各地で摘発されている。
警視庁は昨年から今年にかけ、東京都内の佐川急便営業所の社員ら106人を逮捕・書類送検。

15年には大阪府警が大阪市内で違反した兵庫県の運送会社員ら20人を逮捕・書類送検している。