日本でもこの「失われた30年」で自己責任論が社会に蔓延し、生活保護バッシングなど、問題を抱えた人たちを「努力を怠った自業自得」と切り捨て、弱い立場の人ほど叩かれる風潮が強まったように思う。
保守政党ほど大企業や富裕層を優遇する新自由主義の経済政策を推進する傾向は日本も同じで、アベノミクスの恩恵からは程遠い人たちが、まるで自分たちの味方であるかのように安倍政権を支持し続けた奇妙な現象も見られた。
困難な境遇にある人を「国に頼るな」「社会に迷惑をかけるな」と足手まといのように見なす風潮こそが社会の劣化に拍車をかけ、その一方で利権とカネで結託した「強者のための政治」を延命させる、いびつな日本をつくってきてしまったのではないだろうか。