そして、放課後になって色紙が返されることになった
一人ひとり名前を呼ばれ、前へ取りに行く
俺も呼ばれ取りに行くと、他のやつらに見られないように
隠しながら自分の机に戻った
自分でも見たくなかったが、机に直すとき
視界に入る程度、ハッキリとは見てないが
俺の書いたものとは違うもうひとつ
綺麗な字で何か書かれていた
おそらく担任が書いてくれたんだろう

だが俺はその色紙を家に帰るなり
はさみで切り刻んで捨てた
そのまま捨てると親に見られるかもしれない
やっぱり恥ずかしい、惨めだという思いだったからだ

しかし、今にして思えば
いくらそんな色紙でも、たった一人だろうが
寄せ書きをしてくれたものを簡単に捨ててしまう
自分のプライドや見栄しか考えないような奴

みんなは見透かしていたのだろう
そんな奴に、寄せ書きなんかしたくない
されなくて当たり前だ