(承前)
すべてがすんで手術台に腰かけ、渡された手鏡をのぞくと、たしかにタルミがない。
それより先に見せてもらった七つほどの黄色い脂肪のかたまり。ひとつに丸めたらビー玉くらいになりそうだった。
あれを取りのぞいてくれた先生の耳にさっきのお礼のつぶやきが届いたのか気になる。
「じゃあ先生をお呼びしましょう」と呼んでくれた。
それであらためて「ありがとう」とお礼を述べ、冷たい雨のなか帰途についた。
地下鉄の窓に映る自分の顔が心なしか若い。うれしい。

一夜あければダウンタイム。痛みはまったくないけど厚ぼったく腫れてます。
家族から「どうしたの。別人みたい」と顔をのぞかれたけど「さあ。そんなに?」とごまかした。

ちなみに男です。男だからといってイヤがられず、対応にぎこちないところもなくなく、みんな親切にしてくれた。
十分なやんだら行動あるのみ。勇を鼓してカウンセリングに行ってみよう。