>>314
ノーベル物理学賞に環境科学の分野が選ばれるのは初めてだ。
今年8月に公表されたIPCC第6次評価報告書の主執筆者の1人である
国立環境研究所地球システム領域副領域長の江守正多氏は,
「気候変動の議論の基になっている科学が,物理学として
基礎づけられたものであるということが社会に伝わるきっかけになる」と話す。

真鍋氏らの最初の論文から半世紀以上がたった今も,気候モデルは発展中だ。
衛星観測技術の向上で,現実の観測から得られるデータは以前より解像度が高まり,
その種類も増えてきた。微小な塵が核となっている雲の振る舞いなど,
依然としてシミュレーションが難しい要素もある。現実の地球環境と合致する,
より精緻な気候モデルの研究が続けられている。