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理化学研究所・計算科学研究機構データ同化研究チーム・チームリーダーの三好建正さんは、
真鍋さんのノーベル物理学賞受賞を次のように受け止めています。

「地球科学分野でのノーベル物理学賞の受賞は初めてではないでしょうか。
地球科学分野では、これまでに、大気中の化学反応などで化学賞はありました。
しかし、地球物理は物理学とは見なされないといった感覚を、
この分野の専門家は持っていたと思います。

その思い込み、いわば常識を破壊するような驚きの気持ちを抱いています。
優れた研究を行えば、地球科学分野でも物理学賞がありうることが示されました。
この受賞は勇気と希望を研究者に与えてくれます」

気候科学者で、国立環境研究所地球システム領域・副領域長の江守正多さんも、
真鍋さんのノーベル物理学賞受賞に驚きつつ、たたえます。

「スウェーデンのラジオで候補として名前が挙がっていたようなので、
可能性はあると聞いていました。
しかし、気象学は物理学の対象分野ではないと思われていたので、
難しいのではないかと思っていました。
そんな中、本当に受賞されたので、びっくりしています。とんでもなくすごいことです。
物理学として評価されたことは、我々の分野全体として非常に大きな意味があります。

大気と海を物理法則でシミュレーションするという、
誰もやったことがなかったところから、真鍋さんはモデルを作りました。
(真鍋さんは)『気候モデリングの父』と呼べる研究者です。
現在の地球温暖化に関する我々の理解や将来予測に欠くことができない研究分野を作り、
その礎があって、私たちが今、地球温暖化の予測ができています」