https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211005/k10013292011000.html

受賞理由 「現代の気候研究の基礎」

真鍋さんの受賞理由について、ノーベル賞の選考委員会は「現代の気候の研究の基礎となった」としています。

地球の気候は人類にとって極めて重要な複雑系のシステムで、
真鍋さんは大気中の二酸化炭素の濃度が上がると地表の温度上昇につながることを明らかにしたとしています。

そして、1960年代には地球の気候に関するモデルの開発をリードし、
地表面が太陽から受け取るエネルギーから宇宙に逃げていくエネルギーを差し引いた「放射収支」と、
空気の縦の動きが、お互いにどう影響し合うか世界で初めて解明したとしていて、
真鍋さんの研究は現在の気候モデル開発の基礎となったと評価しています。

また、選考委員会は会見の中で、真鍋さんを含めた3人の受賞者を「複雑な物理体系の理解を深めた人物」として紹介しました。

そして、物理学には基本的なルールを使って複雑なプロセスや現象を説明する役割があるとし、
真鍋さんの功績として「力学を通じて地球の気候を研究し、初めて信頼性のある予測を出した。
二酸化炭素が2倍になれば表面温度が2度上がると予測した」と説明しました。