>>396

・温度上昇による直流抵抗増加はフェルミ球膨張による電流電子速度上昇が原因だ。原子の振動増は直接には関係ない。

補足として、俺の予想の「自由電子は低速になれない」という説は結果として合ってたのだが、
調べると自由電子が低速になれない理由は量子統計力学で既に説明されていたのである。

固体物理学ではエネルギーの高い常温状態では自由電子の速度分布も富士山型のアナログ的な古典的マックスウェルボルツマン分布に従うが、
絶対零度付近ではフラットな平面型のデジタル的な量子統計フェルミディラック分布になる。

フェルミディラック分布では一つの量子状態に一つの自由電子しか入れないため、絶対零度であっても自由電子の速度分布が0に収束することは無い。
そうやって一つの量子状態に一つの自由電子を詰めてゆくと、自由電子の速度分布はフェルミ球となる。
このフェルミ球の最外殻の速度がフェルミ速度(銅原子なら1600km毎秒)だ。

このフェルミ球は温度が上昇しエントロピーが増せば、超伝導相から普通相に相転移し、さらにフェルミ球の大きさが増してマックスウェルボルツマン分布に移行する。
この膨張したフェルミ球の半径が自由電子に対する圧力に相当し、このフェルミ球を超えなければ電流電子になれないため、
俺の電流電子フェルミ速度説が成立する。

フェルミ速度は膨張したフェルミ球に対応するため、温度によってフェルミ速度も増える。
これが電気抵抗が温度に比例して上昇する理由だな。フェルミ球の膨張により電流電子の速度が増すため直流抵抗が増える。
温度上昇による直流抵抗増加は原子の振動増が原因ではなく、それと平衡状態にある自由電子のフェルミ球膨張による電流電子速度上昇が原因である。