現代の電磁気学の教科書は特殊相対論が前提で書かれている。
しかし、特殊相対論を学習してない人でも学べるように座標変換に触れない本が多い
だから、(観測)座標系や運動が絡むと初心者が混乱するのである。

特別サービスとして初心者でも理解できて、相間にならなくて済むように説明しよう。
音波の伝搬から始めると分かり易い、音は「(その位置の)空気密度の変化」である。
その変化が一定速度で伝搬する。 (静止)空気中の音の速さVsは約 Vs = 340m/s
音源位置P0と受信位置P1の距離を340m として空気全体が静止の場合
   音源P0-------------->受信P1  音速。
<--------------観測者B(340m/s)
観測者Bが反対方向に340m/sで運動する座標系から観測する場合
音源P0と受信P1が右に340m/sで運動している。
音の速さは右に340+340=680m/sで、空気全体は右にv=340m/sで運動している。

以上は音速とBの速さが光速cより非常に遅いので
右方向の音の速さ=音速+空気の速度 は近似式であるが、特殊相対論でも同じと見なせる。

次に電磁波(光)で特殊相対性理論同様の思考実験では、
電磁波(光)は「(その位置の)電磁場の変化」である。その変化が一定速度cで伝搬する。
真空中の光速c(定数)
光源位置P0と受信位置P1の距離を340m 真空中として
   光源P0-------------->受信P1  光速c。
<--------------観測者B(340m/s)

観測者Bが反対方向に340m/sで運動する座標系から観測する場合
光源P0と受信P1が右に340m/sで運動している。
光速不変の原理により、右方向の光は同じ光速cであるから c + v = c で見れば
電磁場の運動速度v=0 つまり、「電磁場が運動しない」という解釈になる!

だから、演習問題などで電磁場を動かして辻褄合わせするのは間違いである。
(注意、Bの座標系では電磁場の値が変化し、光速は同じでも波長と振幅が変るから
勘違いしないように!)
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