慣性系 (x, y, t) で、斜め45°「/」の鏡にxの正の方向から速さ c で進んでくる角振動数 ω0 の入射光の位相 φ0 は

 φ0 = ω0 (t + x/c)

と表される。鏡が x 軸上を正の方向に速度 v で運動しているとして、鏡を基準とする慣性系を (X, Y, T) とすると、 (X, Y, T) での入射光の位相は

 φ0 = ω0 (t + x/c)
  = ω0 {γ (T + vX/c^2) + γ (X + vT)/c}
  = γ ω0 (T + vT/c + vX/ c^2 + X/c)
  = γ ω0 {(1 + v/c)T + (1 + v/c)X/ }
   = γ (1 + v/c))ω0 (T + X/c)
   = Ω0 (T + X/c)

  但し、
   γ = 1/√(1 - v^2/c^2)
   Ω0 = γ (1 + v/c) ω0

と、やはり X 軸上の正の方向から速さ c で進んでくる波になる。ただし角振動数は ω0 ではなく Ω0 = γ(1 + v/c) ω0
になる。これは相対論でのドップラー効果ね。
慣性系 (X, Y, T) では鏡「/」は静止しているので、反射光は Y 軸を負の方向に進む光で、その角振動数 Ω1 は入射光の角振動数 Ω0 に等しい。
したがって、反射光の (X, Y, T) での位相 φ1 は、

 φ1 = Ω1 (T + Y/c)  但し、Ω1 = Ω0

となる。これをもとの (x, y, t) に戻すと、

 φ1 = Ω1 (T + Y/c)
   = Ω1 {γ(t - vx/c^2) + y/c)
   = γ Ω1 [(t - vx/c^2) + {y/(γc)}]
   = γ Ω1 [t - {(v/c) x - (1/γ) y}/c]
   = ω1 [t - {(v/c) x - (1/γ) y}/c]
   = ω1 {t - (cosθ x + sinθ y)/c}

  但し、ω1 = γ Ω1 = γ Ω0 = γ^2 (1 + v/c) ω0 = ω0 / (1 - v/c)
     cosθ = v/c, sinθ = -1/γ

     ( (v/c)^2 + (-1/γ)^2 = v^2/c^2 + 1 - v^2/c^2 = 1 であることに注意)

 これは、x 軸に対して角度 θ の方向に速さ c で進む、角振動数 ω1 の波の式である。

 つまり、速度 v で動く鏡で反射された光は、光速は c のままで振動数は 1/(1 - v/c) 倍
波長は (1- v/c)倍になる。そして入射光に対して真下 (y軸の負の方向) ではなく、すこし斜め前
(前とは鏡の動く方向)に進む光となる(これは光行差)。