「物理数学の直感的方法」とかいう本
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今日は第8章「複素関数・複素積分」を読むね。
複素数の基本的な所は第4章で扱った。この章では積分に焦点を当てている。ここでの長沼の関心は「実関数の積分を複素解析を用いて簡単にする方法」に向いている。
物理や工学の複素関数の利用の仕方としては一般的であると思うよ。本当はもっと広い視野を持ちたい所だけどね。
特異点・ローラン展開・留数
ここまでは「ざっと留数定理にまで進んだだけ」。
イメージ化は全く無い。この辺で落ちこぼれていては長沼でさえ救ってくれないということだね笑
留数についての説明
長沼は「項がキャンセルされる話」に関心があるみたいで、
連立方程式→フーリエ級数展開→留数
とアナロジーを働かす。そして今回は画鋲で説明する!
算数で出てくる「円の周り(外側または内側)を円が回る時の回転数の話」だ。または高校で出てくる「エピサイクロイドとハイポサイクロイドの話」だよ。複素平面上を一周する時に逆向きに一周する関数だけが生き残る。それはf(z)=1/zだ。
これはなかなか面白い考え方で、平面幾何の「多角形の外角の和=360°」も同じ原理に基づくよね。
正則について
複素関数の最も重要な、著しい性質は正則性に由来する。全ては関数の正則性だ。で、コーシー・リーマンの関係式が出てくる。長沼はこれをrotとのアナロジーで説明する…ただ符号が逆なんだよね。
事実長沼はこのアナロジーが完全に正確なものとは言えないと言っているよ。ただこの「類推の連鎖」は大変に面白い。こちらも何か触発されるような「教育力」を持つ。 >>53
工学系の人たちがε-δ論法を「インプット・アウトプット」で制御理論の話として理解するのは有名ですよね。
特定の専門分野に引きつけて理解するのは重要です。
それだけでは限界がありますけどね。 第8章の続き
コーシーの積分公式
また画鋲で説明してるよ。
・ローラン級数展開
テイラー展開の発展形として説明している。しかし関数の近似には使えない。
・1位の極を持つ場合の留数とm位の極を持つ場合の留数。
公式を書いただけ。
・コーシーの主値
特異点の除去は数学的には大きな問題だけどね。
結論・・・結局のところ複素積分は計算方法さえ覚えてしまえばいいそうです笑
感想としては、長沼は「回転」についてかなりこだわりがあり、説明が冴えているということです。
複素解析自体は微積分の続きとしてたくさん計算練習をしなければなりません。そして複素解析は微積分と同様、またはそれ以上にとても面白いものです(終) >>56
「アウトプットの誤差をε以下にしたければ、インプットの誤差を十分小さくδ以下にすればよいということ」[笠原25]
工学でそう言う風にとらえてるとは知らんかった。でもまあそう言うことだな。
で、数学の証明では。相対論も光速は数学的には無限と同じ働きになる。でも光速は
有限だ。数学と実際の大自然の法則の学である物理学の関係なのだ。やればやるほど
考えれば考える程面白いのう。スマホでゲームやるより面白いぞ。スマホはバカみた
いだ。 >>49
まあチミたちには良いんじゃないかな。スマホは。 さて第9章「エントロピーと熱力学」だ。
本書は「物理数学」の本ということになっているが最後の2章は「物理そのもの」である笑
こういうのはありなのか?ありでしょうね。
熱力学は現象論でありその原理はよくわからない、しかし熱力学を使って得た結果はどれも正しい、という不思議な結果に物理学者は悩まされてきた。統計力学は安心できると思っている物理学者も多い。
しかし現在は様子が違ってきた。
熱力学の数学的基礎が確立したからだ。Lieb & Yngvasonの論文に始まるこの流れは「思い入れたっぷりな哲学的論争・妄想(長沼を含む)」を無効にしてきたと思う。
そしてこの数理物理学的な熱力学理論は日本語の教科書で読める。田崎「熱力学」だ。嬉しいね。この本は必須。
エントロピー=乱雑さ?
ニュートンの三法則と並べて熱力学の三法則も経験則だと説明する。エントロピーのもう一つの扱い方は数学的な定義とする。統計力学や情報理論で用いられる。なぜlogなのかの説明。
熱力学的なサイクル
まずは断熱過程で説明する。積分が出て来ず、分かりやすい説明になっているね。カルノーサイクルは熱効率を最大にする。エントロピーが増大しない。一般のサイクルではクラウジウスの不等式が成り立つよ。
QやWの微小量は全微分ではないが、UやSの微小量は全微分であることの説明
Uはエネルギーで第1法則。Sはエントロピーで第2法則。両方ともdUやdSは全微分なんだね。δQは駄目なのにそれをTで割ったdSは全微分ということ。 第9章の続き
この後は長沼の「かなり妄想が入った解説」が続くのだが、それはスルーしたいので簡単に項目だけ書き出しておくね。
情報理論とエントロピー(スパイ小説)
統計力学とエントロピー(熱の拡散)
場合の数とエントロピー(等温膨張)
エントロピーの適用限界(物理的合理性を超えてみんな勝手に社会現象に適用しちゃってる)
…と言いながら長沼もそれに乗って独自の社会理論(革命と民主化)を展開する笑。これは「エントロピー=乱雑さ」という解釈では理解できないが、「エントロピー=平均化」という解釈ならば理解できる理論であるという笑 第9章の続き
この辺、長沼の「物理を肴にして妄想を語る」特徴が現れているよね。
野球選手が何でも野球に喩えるのと同じで教養の無さを感じさせてしまう。何を勉強しても、根幹が変わらず「それは物理で言うと…」っていう話に持っていってしまう人、それ故に面白い個性として一部に重宝されてきたのかも知れない。(終) 今日は第10章「解析力学」だよ。
これも物理数学ではなくて物理学だ笑
まず、解析力学は量子力学に利用されるという点において重要である。この章はイメージ化というよりも具体的な問題を設定して解析力学を解説して感じだね。
最速降下線
答えはサイクロイドになる。極値問題と同様に考えるんだけど定義域は実数ではなくて関数であることが違っている。で、微分法ではなくて変分法を用いる。
オイラーの微分方程式
関数とその一階導関数をそれぞれ独立の変数と見なす。一次近似をすると、オイラーの微分方程式が出て来る。
ラグランジアン
いわゆる光学力学アナロジー。長沼以前にもアナロジーを使って物理は進んできたのですね。フェルマーの原理を柱とする。一様な重力場で考えると分かりやすい。面積を比較する。TとUの差を考える必然性が生まれる。
しかし改めて「部分積分ってすごいな」と思います。
ハミルトニアン
今度はT+ Uの必然性についての話を相空間の話から始める。全微分の式から正準方程式を出す。ルジャンドル変換でLとHが結びつく。
ラグランジアンとハミルトニアンとは何か?ということに応えようとする章。「ハミルトニアンなんか全エネルギーだろう」というところで話を止めないのが気が利いてるね。終 さて全10章が終わりました。まだ続きます笑
「やや長めの後記」を読むよ。
ここは第2版で第11章(つまり本文)だったところらしい。
・天体力学の壮大なる盲点
長沼の主たる関心事である三体問題に関する行列の話や部分と全体についての話。
・三体問題の秘密の扉
やっぱり「文字を消去する話」が好きなんだなあと思う。
・それが文明社会に与えた影響
数学を武器にして宗教や医学、社会学にも切り込むよ笑
最後は「直観化の重要性」で締める。
お疲れ様でした。 普及版と第1版への序文も読んだよ。
西成活裕の解説も読んだ。「簡単すぎず難しすぎない講義はよほど深く理解してないとできない」芸当だそうだ。
電子版1
微分方程式と行列の話。完全に数学の話で、この分野では良書も出ているのでそれを買ってしっかり勉強したほうがいいと思う。線型と非線型の話を独学&在野で進めるのはかなり無理があるように思いました。
電子版2
臨界曲線の驚異という話。これが数学的に「e/mという値に収束する」という話が興味深いとのことなのだが、本当かな。だってm→∞ってやってるんじゃないの?
つまり「e/m→0(m→∞)」と思う。ここの長沼の数学的議論は怪しい。
まあそんな感じで全部読みました。使えるところを使えばいい本だし厳密に詰めて書かれてる訳じゃないのでそんなに長い間にわたって使い勝手がいい本ということは無いと思う。
でも後半の各章や後書きや電子版などには長沼の思想が現れているのでそっちに興味がある人にとっては深く読むべき本かもね(終)。 「アウトプットの誤差をε以下にしたければ、インプットの誤差を十分小さくδ以下にすればよいということ」[笠原25]
工学でそう言う風にとらえてるとは知らんかった。でもまあそう言うことだな。
だがな、それと数学の証明とはどうつながってるんだ? もしそれが分かっていたら
とっくの昔に大学で教えられその具体的な考えを背景にεーδで証明しただろう。
つまりだ、わからなかったんだ。つまりこうだよ。
https://www.youtube.com/watch?v=tozqpt6_MbU
この原因はおブルが大学を荒らしたんだよ。 わしは高校の時に「車輪の下」という本を読んだ。たしか旺文社の高一時代という本
の付録だったと思う。受験の旺文社もしゃれたことをしていたんだな。で、車輪の下
では、学校始まって以来の大秀才が、その国の名門大学か神学校かに入れると大騒ぎ
校長まで乗り出して受験勉強の特訓をする。で、見事合格だ。しかし学業に興味を感
じないでだんだん落ちこぼれていく。で落第、退学。村に帰った彼はあるとき町工場
のまあ旋盤などの機械工と一緒に仕事をする。自分が初めて生きがいを感じる。でみ
んなと和気あいあいになって充実した生活をするかと思ったが、あるとき川で彼の死
体が浮かぶ。という物語だ。わしが思うに成績がいいといったってそれに向いてるわ
けではない。名門校に受かったことで旋盤工になることが出来ない。村人の白い目が
気になって。かわいそうにのう。世間に負けた。そこで昭和枯れすすきが。 ヘッセは、少年時代の神学校在学時に、「詩人になれないのなら、何にもなりたくな
い」と悩み、不眠症とノイローゼを患うようになった。その結果、神学校を退学、精
神療養を経て、一般の高校に転校する。その後も、どうすれば詩人になれるのかを悩
み続け、再び高校を退学、本屋の見習いとなった。しかし、三日でその店をやめて、
消息を絶ってしまった。この物語の主人公であるハンスには、周りに誰も支えてくれ
る人がいない。それに対して、ヘッセには、母親がいた。そして、母親の存在があっ
たおかげで、ヘッセは立ち直ることができた。ハンスとヘッセとの大きな違いである。
わしのお母ちゃんのおかげで●●論の原理のほうは一応の完成を見た。次は
その物理学などの応用編だ。きっとニュートンをしのぐ新物理学の完成だ。 おはよ。
http://www.youtube.com/watch?v=bRWqxv3iMaY
日本がみんなおかしくなってることを象徴する歌だね。わしは今では結婚しないで
良かったと思うよ。 聞いてると欲求不満が歌ってるって感じで・・・いいじゃないか。 『物理のための数学』を読むよ。
と言ってもこの本は「簡単な解説+計算練習」の本だから、項目を列挙するだけになりそうだけど「自分用意の読書メモ」として書きます。
第1章は「基本的な知識」。
扉にもあるように、簡単にまとめてあるだけです笑
・三角関数
公式やグラフがまとまっている。
・指数関数と対数関数
これも同様に公式のまとめだけ。
・複素数
複素平面とオイラーの式まで。ちなみに本書は複素解析を扱っていない。
・偏微分
数学の本では偏微分と重積分は対応させて扱われるが本書では偏微分はちっちゃい扱いで積分は大きめに扱っている。この辺の判断は実用的でいいんじゃないかな。
全微分と完全微分。合成関数の偏微分。
・コーヒーブレイクでは双曲線関数について簡単に触れられている。
簡単な問題が付いていて題材は物理学各分野から採られていて安心の初級者向け参考書ですね。 次に第2章「ベクトルと行列」を読むよ。
・ベクトル
ベクトルとスカラー。この違いは本質的で重要。ベクトルとは何かということが天下り的ではなく書かれている(しかし冗長だ笑)。線型独立も重要ですね。
・スカラー積とベクトル積
内積と外積は本来働く場所が違うのだが、物理や3次元ベクトル解析では対応したものとして扱われる。三重積。
・行列
行列とは単に数を縦横に並べたものではなくベクトルと同様、非常に活躍するものだが、ここではおとなしく、導入するだけ。いくつかの特殊な行列を紹介する。
・行列式
ここでも線型独立と線型従属が扱われている。大事なので何回扱っても良い。逆行列も行列式を用いて実際に計算するので、本書では行列式はかなり重要なアイテムとして扱われます。
・連立一次方程式
まずはグラフを用いて解の幾何学的な意味を解説する。次にクラメルの公式を導入。掃き出し法ではないので行列式が重要。手間がかかるけど具体的な3×3行列くらいならば根性もつくし、まあいいか。
・固有値と対角化
ジョルダン標準形は扱わない。対角化だけ。まあ初めのうちはそれでもいいと思うし、ジョルダン標準形を扱わない大学も多いのかもしれない。
ここは数学が諸科学において役立つ、1つの見せ場ですね。微分方程式でも数列の漸化式でも、対角化すれば連立形でなくなるというスゴさ。力入ってます。
・座標変換
どうもこの辺を身につけていない人が多いのですが定義に従ってコツコツやるべきでしょう。イメージは後からついてくるから機械的な反復がいいと思うんだ(長沼は違うだろうね)。
・テンソル
テンソルまで書いてあるのは見識だね。対称テンソルと反対称テンソル、交代テンソル。
・テンソルの例
角速度ベクトル。慣性テンソル。歪みテンソル。応力テンソル。主軸変換。慣性モーメント。
頭の中に線型代数の教科書がある人間にとって「なんだ初歩じゃん」と初めは思うが、最後にテンソルが扱われていたりして「何だここまでやるの」と思わせる。
広い範囲から有用な道具はなるべく収める、ってなってて感心した。 今日の最後は第3章「常微分方程式」です。
受験物理で「微積物理」っていうのがあって、物理を学び始めた大学生とかが受験生や高校生を煽るっていう風物詩が受験関係の板にあるのですが、
そのくらい「微積分を使う物理」ってのはイニシエーションな訳です笑
物理の本質を探っていくと「微積物理笑」になるのかそれとも「もっと素朴なイメージ化笑」があるのかは分かりませんが、
「微積使えるとカッコいい」とかじゃなくて、「微積使えないと実際に教科書が読めない、問題が解けない」とかなってくるので頑張って微分方程式の計算練習をした方がいいと思います。
一階
変数分離形をまずは押さえて。そのあと定数変化法。交流回路からの例は適切。
完全系
積分因子をかけると上手く積分できる例。これには知識を要するので手順だけ学んでもすぐには解けるようにならない。
二階
エネルギーの話。物理学からの題材で無駄がないですね。
二階線型
解の重ね合わせ。重要概念です。
定数係数二階線型
常微分方程式でも偏微分方程式でも二階線型って重要。
振動
力学・電磁気学アナロジーが成り立つ話。面白いです。解はグラフを描いてイメージ化しましょう。
強制振動。過減衰・減衰振動・臨界振動。振動の話を続けて行ったら止まりません。
連成振動
対角化して微分方程式を解く話。何度見ても上手くできてるなーと思います。線型代数と微分方程式との融合領域。 抽象的な線型空間とか、高階の微分方程式とかは扱わない。とりあえず必要ないからね。バランスがいいですけど物足りない気もする。
物理数学って一体何なのだろうかと思ったら分野的には、
・微分積分
・線型代数
・ベクトル解析
・複素解析
・常微分方程式
・偏微分方程式
・フーリエ変換とラプラス変換
あたりかな。この辺が基本で、その他の数学は要らないか高級ってことになっているらしい。誰が決めたのか? もうあとがきと電子版まで全部読み終わっちゃったんですよ笑長沼について語れることはありませんし。皆さんは長沼の話で盛り上がってください。
俺は長沼の本を熟読して頭がクラクラしてきたので
長沼の本と同じようなレベルで普通の物理数学の本を読んでリハビリをする必要があります笑
今度はハイペースで進めます。無視してくれて構いません。できれば皆さんも何か読んでみては? 次は
ステルス・デザインの方法―イルカの記憶と都市の閉塞感を減らす技
を読め。
これは命令だ。 >>81
長沼の提唱する「イメージ化」が俺の頭から離れないので笑
その意味では普通の物理数学の本を読んでも「長沼スレ」から大きくズレてないと思いますよ
「イメージ化vs.形式化(抽象化)」です。 >>83
勘弁してください笑
お任せしますからどんどん読んで感想とか読みたいです。 >>85
今回長沼の『物理数学の直観的方法』の題材をチェックした中だと、確率はエントロピーや統計力学で出てきます。
それ以外では確率概念は量子力学で出てきますね。確率の重要性は言うまでもありませんけど知識的には高校数学の範囲で足りるということかな。 >>86
ふざけんな
オマエが始めたことだ
オマエが責任を取れ じゃあ次は本職の工学系研究者が主要執筆陣で長沼直観に対抗して岩波から企画された「理工系数学のキーポイント」あたりでやってみてよ。
俺これ浪人中に読んでたから普通の受験理系がどう思うもんなのか聞いてみたい。 言われても一冊も持ってないしなー
調べたところ「理工系数学のキーポイント」全10冊は、上で俺が書いた内容と大体同じだね。それに確率・統計と群論が含まれている。
俺が今回から読んでいる本『物理のための数学』『物理の数学』はそのシリーズの編者(和達三樹と薩摩順吉)の本なので共通性はあると思います。 長沼の本はまだあるぞ
一般相対性理論の直観的方法
無形化世界の力学と戦略―理系からの解析は戦略と地政学をどう変えるか
ステルス・デザインの方法―イルカの記憶と都市の閉塞感を減らす技
経済数学の直観的方法 確率・統計編
経済数学の直観的方法 マクロ経済学 わしが見出した●●論の原理はあらゆる学問の根底の基礎だからあらゆる学問は
物理学はその見方・考え方を根こそぎ変えてしまうのだ。これからの物理学は
●●論の上に成り立つのである。 無形化世界の力学と戦略―理系からの解析は戦略と地政学をどう変えるか
この「理系からの解析」とかいうナンセンスなものにこだわっているのも
この人の特徴だね
理系文系なんてものは日本の教育上便宜的に分けたガラパゴス分類で
実際には「理系」なんてものはないし「理系の考え方」なんてものは
それこそ非科学的
だからいうのであれば物理からの解析は〜の方がまだましだけど
物理からの解析といわれても???だな
数理的な解析だとか実験を取り入れるならまだわかるが >>93
鋭いですね。分析の方法は多々あれど、「理系的な分析」などというものはないですよね。それ故に、ざっくり「理系」という括りをしてしまうのは良くないですね。 では第4章「ベクトルの微分とベクトル微分演算子」を読むよ。
・ベクトルの微分
成分ごとに微分せよ。曲率などの微分幾何学的なことも書いてあって有用です。
・極座標
必要な座標系ですよね。
・運動座標系
本書のサブテーマとして「数学から見た物理」というのがありますが、特に座標系や座標変換については取り上げられています。並進運動と回転座標系。
「我々は回転を定量的に捉えることが苦手」なので数学の助けを借りた方がいいです。
・ベクトル場
いよいよですね笑
ナブラ演算子∇。
勾配gradの定義。物理例が出てきて適切です。
発散divと回転rot。回転の解説は長沼よりも間接的です。長沼の説明の方がいいかな。
スカラーポテンシャルφ(F=-gradφ)と
ベクトルポテンシャルA(B=rotA)も定義されます。
物理ではスカラーポテンシャルには負号が付きます。
ラプラス作用素またはラプラシアン∇^2= div grad=∇・∇
・公式のまとめ
結構公式を羅列するのが好きみたいですね。あとで調べ物にも使えるから便利でしょう。勉強法として、長沼じゃないですけど「公式とにらめっこ」して意味をあれこれ想像するのも力になると思います。
まあ全体的に手堅く使えるようにまとめがなされていると思います。 次は第5章「多重積分・線積分・面積分と積分定理」を読みます。
・多重積分
累次積分によって計算する場合が多い。積分変数の変換、ヤコビアン。これは非常に重要。慣性モーメントの計算例。
・線積分と面積分
内積を取っているのが長沼よりもいいと思いました。性質については単なる羅列です。保存力の出番。面積分も線積分と同じように理解できます。線積分が線分上の移動なのに対して面積分はある面上で動きます。
・平面におけるグリーンの定理
線積分と2重積分の関係。これを使って線積分の値が経路によらない条件を求めます。
・ガウスの定理
体積積分と面積分の関係。ガウスの積分。
内部空間からの発散=表面上の和。
・ストークスの定理
線積分と面積分の関係。
表面上の回転量=面の境界線上の和。
循環または渦量。渦無しの場。回転の意味を追求しています。さすがですね。
重要公式が出てきました。簡潔で良いと思います。この章の内容は面白い。 チョットだけよ。なんか難しいこと書いてあるが、要するにローレンツ変換とは
数学的に無限大だが大自然ではそれが有限で行われてるということを整合的に
数式化したら自然に出てくんだよ。でそれは有名な相対論の式になる。つまりだな
光速cが無限大なら ct+vt=ct'、ct-vt=ct'、で無限に有限を足しても引いても同じ
だ。無限大cだからな。でこれを単に代数学的に整合的に解くと
(ct)^2-(vt)^2=(ct')^2 だから t√1−(v/c)^2=t’という見慣れた公式が出
る。 第6章「フーリエ級数とフーリエ積分」を読むよ。
・フーリエ級数
周期関数と連続関数について。「数学的な縄張り争い」を無視して不連続な関数を導入します。「区分的に連続」という概念です。フーリエ級数、フーリエ係数。
〜に対する、〜の。ディリクレ条件。
この節だけでかなり進みました。
・フーリエ正弦級数とフーリエ余弦級数
偶関数と奇関数に関する話です。半区間での展開。複素数表示。複素数を使った方が三角関数を使うよりも見た目がスッキリしていて良いですね(おっと、要らぬ抽象化か?)。
直交関数系。出ました、関数空間における内積の話です。正規直交関数系。
・フーリエ積分
区間Lを有限→∞に飛ばすと、級数→積分となる。
フーリエ積分公式。フーリエ積分表示。フーリエ変換。フーリエ逆変換。係数は本によって定義が異なるので公式の孫引きには注意が必要であります。
フーリエ変換とフーリエ逆変換を用いて幾つかの定積分の公式が得られる。これは知らないと解けない類の問題なので覚えましょう。
・強制振動
物理で重要な振動の話です。微分方程式の時にも出てきましたね。
・ディラックのデルタ関数
撃力。点電荷。これは通常の関数ではない。3次元のデルタ関数。ガウス積分。
超関数まで出てきました笑 問題はだ、ct+vt=ct'、ct-vt=ct' tとt’の違いを考える時だな。時間の進み方が違うという発想は
初めは生まれないだろう。だから初めはアインシュタインの方法だな。それからより高次のわが
●●論の物理学に移るんだな。 量子力学もそうだな。数学上無限小は大自然では有限で行われる。つまり大自然には
無限小、無限大は無いのだ。これは数学のεーδ法がしっかりと理解していれば分かることだ。 でもこれを使った計算テクニックは東大にお任せしたい。 じゃあ最後の第7章「偏微分方程式」を読みます。
「物理数学とは何か」っていうと上で列挙した項目が大体含まれる訳ですが、中でも重要なのが偏微分方程式ですね。これに向かって進む感じです。
・偏微分方程式
用語の説明。線型方程式の解の重ね合わせの原理についても書かれています。双曲型・楕円型・放物型に分かれます。
双曲型:波動方程式
放物型:熱伝導方程式
楕円型:ラプラス方程式
標準形。
・波動方程式
ダランベールの解。左に進む波と右に進む波を重ね合わせる。ストークスの波動公式。初期値問題。コーシー問題。境界値問題。変数分離。固有モード。節。基音と倍音。初期値境界値問題は混合問題という。
・熱伝導方程式
変数分離法。線型結合(解の重ね合わせ)。
・無限区間での波動方程式
有界条件。ダランベールの解からストークスの波動公式だったのが、フーリエ級数からストークスの波動公式になった。両方とも重要ですね。
・無限に長い熱伝導方程式
変数分離法。有界条件。積分順序の交換という危険なことをやっているが有界かつ絶対積分可能なので正当化されます。パラメーターに関する積分を使うので公式集が必要→計算ノートに解説がある親切ぶり。
・波動方程式
矩形板の横振動。変数分離法。固有関数。固有値。節線。縮退しない。多様な振動パターン。2重フーリエ級数。色々用語が出てきましたが難しくはないですね。
・ラプラス方程式とポアソン方程式
熱伝導方程式。斉次形がラプラス方程式で、非斉次形がポアソン方程式です。電荷分布と電位の関係。ガウスの定理。グリーンの定理。φの連続性。一意性。グリーンの公式。ヘルムホルツ方程式。極座標。円柱座標。ルジャンドル関数。ベッセル関数などの特殊関数。
・太鼓の振動
極座標を使う。n次のベッセル関数。イメージ化する。
古典物理の方法・物理数学の到達点の一つとしてうまくできてますね。 最後まで来ました。
はじめに・・・物理では数学を用いることが必要。専門書を読んでも即効性がない。概念のイメージが沸くように気を配った。練習問題は自力で解くこと。より高度の専門書に進む。
更に勉強するために・・・複素関数論。特殊関数。公式集も持っていると便利。
公式集・・・三角関数。双曲線関数。微分法。積分法。パラメーターに関する定積分。テイラー展開。ベクトル解析。極座標系。円柱座標。ヤコビアン。合成関数の偏微分。積分定理(平面におけるグリーンの定理・ガウスの定理・ストークスの定理)。
忘れた時に使えますね。 超速読で全部の復習を終わらせました笑
スッキリしていて簡単で読みやすい癖のない本だと思った。 世界の愚かな権力者どもよ。聞け! これ等の放射能=死の灰はお前らの国も襲
う。言っている意味わかるか。愚かだからわからないな。自分たちも似たようなこと
してるからな。やめろとは言えないよな。 残業をおかしいと思わない臣民が選んだ政府だ。こうなっても自業自得と言えるかな。 わしの家の爺様は今の権力者の先輩じゃ。わしの爺様を敬え。 いまでも原発を造るという馬鹿に問いたい。出来た放射能はどうするんだ。将来のチミたちの
子供孫に何とかしてもらうだと。まあわしには子や孫はいないからわしが言うならわかるんだが。
エッ なら黙ってろ。だって、そうだな。 なんせここはわしには外国だ。
なら ニュートンが何でにゅうとん力学を建設出来たのか。微積分を発明したからだ。
運動量やenergyなどの関係を的確につかむためには微積分学の知識が必要だ。
わしも●●論の発明をやった。 だがにゅうとんはかれのプリンキピア(しぜん哲学の数学的原理)には微積分を使っていない。
というのは、当時の数学者がやかましく攻撃するだろうと思い、たぶんまず微積で結果を導き出し
それを幾何学的に証明したんだろうね。だから極めて複雑で難解で何でこんな考えが出来るんだという
事になったんだろう。わしはそんなことはしないよ。 このスレにはε-δ論法が好きな人がいるみたいなので
俺も影響されて解析の本を読むことにしました。
「ルベーグ積分入門」です。
第1章「序説」から読みます。
微分積分学の復習。お話です。原始関数を求めることを積分するという。連続函数であること。
・連続関数の原始関数
不連続点があると駄目な場合がある。縦線図形。
連続関数ならば原始関数を持つ。
・連続関数の定積分
近似和。微分積分学の基本定理。
・リーマン積分
連続であることは実は必要ではない。有界であることは必要。微分学の平均値の定理。項別積分可能性が面倒くさいのがリーマン積分の欠点なのですね。言葉で言うと「一様収束すれば良い」と簡単なのですが。
しかし一様収束性というのは関数列にとってかなり厳しい条件です。
・ルベーグ積分
有界性が必ずしも必要でない。リーマン積分の値と一致する便利さ。変動の大きさ。ルベーグ積分は横軸での分点分割の代わりに縦軸での分点分割から出発する。
リーマン積分の不都合がルベーグ積分によって完全に除去できたわけではない。ルベーグ積分は一様収束じゃなくても有界ならば良い。
・ルベーグ積分の抽象化
多変数についても同様に定義できる。測度論。ルベーグ積分スティルチェス積分。 第2章「実数・点集合・関数」を読むね。
この本は第2章までが微分積分学の復習になってます。ルベーグ積分は第3章から始まるのです。
・集合
閉区間と開区間。右半開区間と左半開区間。便利なので使おうと思う。
・実数
有界とか上界とか上限の話。基礎ができてると、この辺で止まらずに済みます。稠密な集合。
・関数と写像
言葉の確認だけです。
・逆写像と一対一の対応
全射・単射・全単射。恒等写像。
・可付番集合
集合についてはより深く考察しておきます。
・可付番集合の色々
直積集合。
・集合の結びと交わり
こんなことまで?と思いますが基礎を振り返ってくれるのは実はありがたいことですね。すっ飛ばして進むよりも安心です。
・開集合
空集合も開集合である。内核。
・開集合の構造
直和。結び。補集合。閉集合。集合についての演算。触点。
・無限大の記号
ルベーグ積分では実数に準じた性格を与える、
・数列の極限値
無限大も混ぜておく。最大極限値と最小極限値。
軽くでも復習から入ると少し楽ですね。 数学の勉強法に「書いて覚える。書いて理解する」というのがあります。俺がここに書いてるのもその一環です。メモ程度でも書き出すことによって頭の中がスッキリすることがあります。 第3章「ルベーグ測度」を読むね。
・測度の問題
長さという言葉の代わりに測度という言葉を使う。抽象化する。直和。無限大も含めた演算になることに注意する。理想は実現しないので次善の策を講じる。なるべく広い範囲に測度を定義したい→外測度。
平面においては面積、空間においては体積。
・外測度。測度を緩やかにする。直和が要求されない。
・ボレル‐ルベーグの被覆定理
これは重要な定理。開被覆。有限被覆。ハイネ‐ボレルの定理ともいう。有限被覆可能。区間縮小法。
・区間についての諸定理
半開区間とは断りなく右半開区間を意味するものとする。
・外測度の定義。半開区間の列による被覆。
・可測集合。ルベーグ可測。
・可測な集合の例。普通の集合(区間)は可測。
・可測集合族。可測集合全部からなる集合を可測集合族という。加法的集合族。ボレル集合族。ボレル集合。
・測度。ルベーグ測度。
・測度についての諸定理
・等測包。等測包はいつでも存在する。
・零集合。零集合の部分集合は零集合である。カントールの零集合(三進集合)。 もしかして、吉田 伸生のルベーグ積分入門を読んでる?
もしそうなら、このクソスレでやるべき内容ではないと思うぞw >>122
違いますよ、吉田洋一の文庫本です(元は新数学シリーズ)。リーマン積分とルベーグ積分の関係とかが他の本よりも詳しく書いてあって面白いです。
証明と反例のバランスもいい。知識が身につきますね(ルベーグ積分だからといって何でも「積分可能」というわけではないので)。 数学の土台は集合論にある。がその集合の元という概念は、わが●●論の存在の概念
定義によって基礎づけられるのだ。生命の概念も、生命を存在として現象から切り出
せれば生命として扱える。存在として切り出された表現には●●論の表現の運動法則
が適用が出来て統一的に扱える・・・・万有方程式論なのだ。 ネバーエンディングストーリー で、王女幼心の君が言う。私に名前を付けてください。
そうすれば、この国ファンタージエンはよみがえるのです。
そうだ。それに名前を付ければそれは存在化する。連続する自然現象からその一部
を存在として切り出せたのだ。 おはよ。人類とは大衆のことである。我ら少数の例えば天才は例外であって、例外は
何にでもあって、決して人類を代表はしていない。だから人類のために、とは大衆の
為にということだな。 T、存在は区別できる。
U、存在は保存する。
V、存在は作用する。
という存在の三つの条件は
デカルトと同じく、まず何よりも存在すると認めた「私」から導き出したのだ。決して適当に
思いついたのではない。また保存は、統計力学のLiouvillの定理を思い出してほしいね。 V、存在は作用する。 は、存在は他の存在に作用するだな。つまり数学の類を作る。
われわれは存在の類の造る宇宙に属してるのさ。 人類とは大衆のことである。 ということは人類のために、ということは、どこにでもいる
大衆のために、であって、当然大衆は人類のことを無視できない・・・世界連邦だな。 無の分解がプラスとマイナスの存在に分かれるという意味は、プラスとマイナスの間
に区別する空間が必要だ。ということで、からその空間は、存在の条件の一つ
V、存在は他の存在に作用する。から、始めの状態 作用受けてる状態 結果の
状態、の三つの状態が 空間には必要だが、これが空間は3次元である理由だな。
また、区別は、始めにプラス、次に、マイナス という時間もある。またこれら時間
空間が共通の保存量で結ばれてる。 まあ詳しくは、近く、わしが自宅サーバで●●論の原理を自作本で安く販売するから。こうご期待。 今日は第4章「可測関数」を読むよ。
可測関数というのはルベーグ積分可能な範囲の関数のことだよね。
・連続関数
有限な関数。連続性にはε‐δ論法が使われるよ。
って言うか本書の全編に渡ってε‐δ論法が使われているから、苦手な人は読むといいかもね(苦手だと読めないか)。
・可測関数
可測集合で連続な関数は可測関数である。殆ど至る所成立する。下に半連続。
・可測関数の加減乗除
可測性に関しても線型性が成り立つよ。
・可測関数列
最大極限関数。最小極限関数。
エゴロフの定理→一様収束可能に関する定理。
・単関数
有限集合。正値関数。増加関数列。単調関数列。
この辺はリーマン積分の議論と平行ですね。
・単関数と特性関数
可測関数と可測集合の関係のキー。
・ルジンの定理
有限な可測関数からの連続性定理です。 次にいよいよ最大の山場である第5章「ルベーグ積分」を読みますね。
・正値関数の積分
まずは可測な正値関数についてのみ議論します。近似和。
平行移動可能性を証明して負値に広げます。
・正値関数の積分の性質
・単関数列の項別積分
項別積分定理がリーマン積分だと面倒なのですが、この定理によって解消されます。ルベーグ積分が有り難がられる理由ですね。
・積分可能な関数
積分確定。積分可能。リーマン積分可能でない関数(ちょいと異常な関数)に対してもルベーグ積分は出来ちゃうんです。まるで実数と複素数の関係のようですね。
・項別積分定理
正値関数から進めてきていよいよ一般の項別積分定理の証明です。ファトゥの定理。ルベーグの項別積分定理。有界性。殆ど至る所で定義されている。ほんとすごい。
・不定積分
集合関数。点関数。このレベルに来ると微分と積分の関係が単なる逆演算でなくなるので面白いです。
・ルベーグ積分とリーマン積分
有限な連続関数ならばリーマン積分可能である。逆は成り立たない。幾つも例が出てきました。
・積分と原始関数
微分可能→有限な連続関数。ルベーグの項別積分定理。
・積分の定義
不足和と過剰和。または縦線集合を使った別の定義。
ルベーグ積分というのは同等な理論構成がたくさん作れて、各々の数学者が「エレガントな理論構成」を競うことの出来る場となっている。
微積分やルベーグ積分論において自分で理論構成できるように頑張ります。
ここまでで登頂に成功しました。 前人未踏の山ではないので、ちゃんとした登りやすい登山道が整備されていました。それ相応の道具立てで登れます。
しかし危険なルートも存在します。ということで続けて第6章「微分法と積分法」を読むね。
不定積分。導関数を不定積分する問題。
解答は「fが微分可能でf'が有界ならば、OK」。
・ビタリの被覆定理
丁寧に説明してくれますが正確に理解するためにはε‐δ論法以外に前もってコンパクト集合に関する知識も必要ですね。
・ディ二の導来数
微分の定義の式のsupのδ→0の極限です。
・増加関数と微分法
増加関数は殆ど至る所で微分可能である。また減少関数も殆ど至る所で微分可能である。ビタリ式被覆。
・増加関数の導関数の積分
「微分したあと積分すれば元に戻るんじゃん?」とか思ってはいけません笑。特異関数が存在しますので。
ルベーグ積分は積分可能条件が緩いので、逆に後戻り(微分法)は「良い性質」を持たない限り保証されないのです。
・不定積分と微分法
・有界変動関数
全変動。増加関数。
・絶対連続な関数
普通の連続関数では条件が足りない。絶対連続の定義。またε‐δ論法が出てきました笑
最初の頃にいっぱい出てくるので誰でも慣れますね。
絶対連続→有界変動。ルベーグ分解の定理。絶対連続関数(不定積分)+特異関数に分解される。納得の行く結論が簡単に出ました。
・原始関数と不定積分
連続な正値増加関数。ルベーグの項別積分定理。差も増加関数。
いやー大変でしたね。でも論理的構成の力強さを実感します。「ルベーグ積分は導関数がいつでも積分可能であるような積分ではない」ということです。ちょっとだけ残念ですね。ダンジョン積分やペロン積分において解決されるということです。 まず1章と2章で微積分の復習をして、
3章4章5章でルベーグ積分を語り(ここが山場)、
6章と7章で応用に進み、
8章9章10章で理論の総まとめをする。
全体の構成がよく考えられていて「今何をやっているのか」がわかりやすい良い本ですね。
じゃあ今日の最後は第7章「多変数の関数の積分」ですよ。
と言っても一般のnでやらずにn=2でやります。不満を持つ人もいそうですね。
微積分にしてもそうだけど急な一般化は無駄が多い気がする。自分で例を作りながら読めばいいわけだけど、具体的な次元に抑えた本も多くの人にとって有用です。
定義域が数直線上から平面になっただけで格段の難しさになります。で、また集合から始めます。開集合と閉集合。
・R^2における測度と外測度
有界な集合。ボレル・ルベーグの被覆定理。
・ 2変数関数のルベーグ積分
この辺は多変数関数の微積分をやってないと類推が効きませんよ。
・フビニの定理
この定理も有用ですね。ルベーグの項別積分定理。殆ど全てのxに対して。
・連続写像
写像の連続性。近傍。開集合。位相変換。合同変換。回転と平行移動の合成です。前にやりましたね。
・合同な点集合と外測度
合同の定義。スッキリとに直感的に分かりやすい定義です。
・縦線集合と積分
正値関数。可測性。縦線集合を元にルベーグ積分を定義しても同じものが出来上がる。定積分と縦線集合の結びつき。 ε‐δ論法の次は集合論ですか笑
ルベーグ積分が終わったら集合論の復習もしたくなりました。 今どき、ε‐δ論法なんて古臭いことやるやついないだろ。www コテ付けました。
じゃあ第8章「測度空間」読むよ。
今までのまとめに入ります。
・ルベーグ・スティルチェス積分
振り返ってみるとルベーグ積分の条件のうち除外出来そうな条件があった。そこで4つの条件のうち2つを除いて他の積分を定義します。
ルベーグ・スティルチェス測度(b-aじゃなくてg(b)-g(a)でもよしとする測度)。g外測度を定義する。集合関数。
・Inのノルムについての定理。
・可測集合と測度
可測の意味。g測度。等測包。条件を減らして、より一般的な積分が、全く同じ論法で作られました。面白いですよね。
・ルベーグ・スティルチェス積分
必ずしも成立しない定理もある。これは言われれば当然ですが、概念を拡張するときに中々気づきにくいものです。
この積分は確率論で大切な役目を演ずる。
・測度空間
可測集合族、集合関数、可測関数の流れ。
で、ここでさらに思い至るのが、RがR^nに拡張されたので、実はR以外にも拡張できるかも?ということです。
加法的集合族。可測集合。可測空間。測度空間の要素を測度という。例によって合理的な定義は概念がひっくり返ってますね。等測包。零集合。積分可能。完備測度空間。有界。準有界な測度空間。準有界。
・完備測度空間
零集合と完備。ボレル集合。完備化の方法。加法的集合族。
・外測度の構成
天下りに定義してきたことの内幕。これによって自分でも再構成できるようになりますね。
数学では「なんでこういう定義なんだろう」と思うことが出てきますが、大抵色々やった後の辻褄合わせであるようです。つまり最後まで一通り全部見てみれば自ずから分かる事も多いと言えます。
・可測集合と測度の設定
測度。零集合。完備。Iが可測であることの証明とここで扱う測度空間が準有界であることの証明。
等測包。正則な外測度。
この章で、大きな理論においては必ずしも目一杯概念の拡張が行われているわけではなく、美味しい性質を含みつつ拡張していることがよく分かりますね。 お次は第9章「測度空間における集合関数」です。
大抵のルベーグ積分の本に書いてある重要定理の証明です。
・加法的集合関数
測度空間における測度でなくても2条件を満たしている集合が存在する。
無意味な算法が現れることを防ぐため一方は上に有界、他方は下に有界としておく。有り得ない場合や無意味な場合を除外するための定義は、数学を構成する上で身につけておくべきテクニックですよね。
・ジョルダン分解
正集合と負集合。ハーン分解。役に立つ補題です。ジョルダン分解。有界な加法的集合関数。
・絶対連続な集合関数
特異。不定積分はμに関して絶対連続な加法的集合関数である。背理法で示す。ハーン分解を使う。μとνは互いに特異。
・ラドン・ニコディムの定理
これですね。加法的集合関数νは不定積分として表し得る。
証明では最初からνが測度であるとして良い。ルベーグ分解。
場合分けの際、「以下同様に」とやらずに、繰り返しを厭わず証明してみると演習問題をやる以上の効果がありますね。 最後の第10章「直積測度空間とフビニの定理」を読みます。
フビニの定理は微分積分学でも出てきますね。このような有用な定理を、概念の拡張においても成り立たせることが数学では重要です。
・直積測度空間
直積というのは普通の直積のことです。つまり(x, y)。
区間。可測区間。有限個の直和。可測集合族。完備測度空間。これのセットで完備直積測度空間。加法的集合族。
ボレル集合族の時と同じ流れで最小直積可測空間を定めることができる。その後、最小直積測度空間を作る。
切り口。可測関数。
・完備直積測度空間
可測集合。加法的集合族。可測集合族。測度。等測包。
・測度の積分表示
完備測度空間であることを仮定する。正値関数。
記号 {X, M, μ} のことを単に X と呼ぶ。ルベーグの項別積分定理。等測包。可測な正値関数。零集合に属さない要素。それぞれが準有界ならば直積も準有界になる。
・フビニの定理
例外零集合。この集合の上でも累次積分に置き換えることが可能であることが証明できます。
・最小直積測度空間
別証です。誰もが思いつく2つの道の双方で進んでくれるとスッキリします。成分測度空間。所々箇条書きされていて条件の把握が容易になってます。いいですね。
ルベーグの項別積分定理。有界。単調族。集合による同値の証明。
フビニの定理の証明が終わりました。基礎がはっきり分かると安心して積分を計算できますね。 付録「反例その他」を読みます。
直感では思いつきにくい反例は覚えておくと良いと思います。以下で○は正しい命題、×は例外のある命題です。
○積分可能→有界
×リーマン積分可能→不連続点で微分不可能
×有界で原始関数を持つ→リーマン積分可能
ボルテラの反例。自己稠密。完全集合。
×リーマン積分可能で関数列の極限値が有界→積分可能
ディリクレの関数。
○可測でない集合の例
×ルベーグ可測な集合→ボレル集合
連続な狭義増加関数。中間値の定理。カントールの零集合。ボレル・ルベーグの被覆定理。
×ルベーグ積分可能な関数同士の積はルベーグ積分可能
×積分と極限の順序交換
×fが微分可能→f' はルベーグ積分可能
×「連続写像f:R^2→R^2かつG は開集合」→f (G)は開集合
○p進記法。ガウスの記号。
成り立たない場合の「証明」は反例を挙げれば済むので反例が集めてあると便利そうですね。 「前書き」を読みます。
ルベーグ積分とはどんなものか。具体的なところから抽象的なところに進むように書いた。
「解説」も読みました。
『零の発見』の著者。理論構成の巧みさ。エッセイストとしての筆力。参考文献まで読むように。
ということで「参考文献」に進みます。
伊藤清三『ルベーグ積分入門』が挙げてありますね。ハール測度。拡張された積分についての議論が載っている本の紹介もあります。(終) 専門書の体裁ではなく、普通の文庫本でこのような内容が読めるとは日本はいい国ですね。大昔の本よりも活字が読みやすいと思います。
名著はなるべく絶版にしないで出版し続けてほしいとは思いますけど。 >>152
同一人物です。
さて今日から「関数解析(岡本・中村)」を読むよ。この本は薄いです。まずは第1章「ノルム空間とバナッハ空間」です。
複素ベクトル空間で考える。部分空間。線型独立。線型写像。ノルムの定義。斉次性、三角形不等式。ノルム空間。収束性。連続性。三角不等式。コーシー列。
一般的なノルム空間では必ずしも成立しない。完備。
バナッハ空間とは完備なノルム空間のこと。コーシー列が収束すること。無限次元ベクトル空間。有界な無限数列。
関数空間の演算の定義の仕方。
・有界作用素
線型作用素。有界性の定義。Cの下限を作用素ノルム。
三角不等式。有界性と連続性。
有限次元複素ベクトル空間の有界線型作用素は行列と同じ。
・レゾルベントとスペクトル
解ける時、レゾルベント集合に入るという。
全射、単射、有界な逆作用素が存在すること。
解けない時、スペクトルに入るという。
ノイマン級数展開。等比級数の和の公式と同じ。スペクトルは閉集合。レゾルベントはzに関して正則であり、無限回微分出来る。正則。
初等的な複素関数論の理論が殆どそのまま成立する。コーシーの定理。コーシーの積分公式。コーシー・アダマールの公式など。
第1レゾルベント方程式。スペクトル半径。劣加法性。テイラー展開。コーシー・アダマールの公式。絶対収束。
・ルベーグ空間L^p
有界性。ノルムの定義。いわゆるp乗ノルム。本質的有界。
完全に同じでなくとも殆ど至る所で同じならば同じと見做すので、厳密に言うと関数の集合ではなく関数の同値類の集合ということになる。
ルベーグ空間はバナッハ空間である。ヘルダーの不等式。ミンコフスキーの不等式。完備性。この性質はリーマン積分可能な関数の範囲では成立しない。L^pくのバリエーション。
定義がいっぱい出てきましたね。これらはそんなに特別なものはなく自然に理解できるものばかりです。ルベーグ積分の時に出てきた測度空間もバナッハ空間に含まれています。
ヘルダーとミンコフスキー、有名不等式が出てきましたね。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています