今、とてつもなく長い線路を0.866Cで走る列車「アインシュタイン号」を考えよう。

この速さで走ると、駅にいる人がアインシュタイン号の中の時計を見るとその時間の進む速さが自分の半分になっていることを確認し、
一方アインシュタイン号の乗客が駅の時計を見ると、やはりその時間の進む速さが自分の時計の半分になっていることを確認する。

ここで、アインシュタイン号は935,280,000km 離れたA駅とB駅の間を通過するとする。
A駅とB駅の時計は合わせてあるので、A駅の時計が0時を指したときにアインシュタイン号がA駅を通過したとする。
アインシュタイン号の乗客はA駅の時計が0時を指しているのを見て、自分の時計も0時に合わせた。

 駅の時計で見ると、アインシュタイン号はこの距離を通過するのに1時間かかるので、アインシュタイン号がB駅を通過するとき、駅の時計は1時を指していることになる。
そして駅にいる人が乗客の時計を見ると、そのテンポが半分になっているので、まだ0時30分を指しているのを確認する。
一方、アインシュタイン号の乗客は、A駅を通過してから自分の時間でまだ30分しかたっておらず、
したがって自分の時計がまだ0時30分しか指していないのに、アインシュタイン号はもうB駅を通過し、しかもB駅の時計が1時を指していることを確認する。

このように、駅から見たらアインシュタイン号がA駅からB駅まで行くのに1時間かかるのに対して、アインシュタイン号の乗客から見ると30分しかかからないということになる。