このとき、貨車側の前部と後部にもセンサーを設置してみましょう。
電柱のセンサーは、貨車側の中央、前部、後部のどれかが通過したときに、その時刻を線路の系の観測者に通知します。

まず、列車が静止した状態で、貨車側の中央センサーと電柱センサーの位置をそろえます。
そして、列車が加速し、亜光速になって等速円運動になるまでの間の、電柱センサーが、貨車側中央センサーと反応した時刻を記録します。
センサーが記録する時間間隔は、列車が加速するたびに短くなり、列車が等速円運動になったとき、間隔は同じになります。

次に、列車が停止した状態で、列車の前部センサーと電柱センサーの位置をそろえます。
そして、列車が加速し、亜光速になって等速円運動になるまでの間の、電柱センサーが、貨車側前部センサーと反応した時刻を記録します。
センサーが記録する時間間隔は、列車が加速するたびに短くなり、列車が等速円運動になったとき、間隔は同じになります。

次に、列車が停止した状態で、列車の後部センサーと電柱センサーの位置をそろえます。
そして、列車が加速し、亜光速になって等速円運動になるまでの間の、電柱センサーが、貨車側後部センサーと反応した時刻を記録します。
センサーが記録する時間間隔は、列車が加速するたびに短くなり、列車が等速円運動になったとき、間隔は同じになります。

線路の系の観察者は、合計3回の電柱センサーの信号データを得ることができました。
線路から見た列車は、3回の実験で、全ての貨車が同じ加速の仕方をして同時刻に等速円運動したように見えたはずです。
そうであるならば、3回記録された電柱センサーの信号データは、すべて同一でなくてはいけません。
どれかのセンサーが、貨車が早めの加速したり、遅めの加速をしたような、信号をキャッチするはずがありません。

よって、線路の系から30万両の貨車を見るとき、貨車それぞれはローレンツ収縮していないと結論されるわけです。
おわかりいただけたでしょうか?