東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構の大栗博司主任研究員は27日、
米カリフォルニア工科大学と共同で、一般相対性理論から導き出される重力の基礎となる時空が、
「量子もつれ」から生まれる仕組みを具体的な計算によって明らかにしたと発表した。
物理学者と数学者の連携で得られた成果。
一般相対性理論と量子力学の理論を統一する“究極の統一理論”構築への貢献が期待される。

大栗主任研究員らは、量子効果から時空が生じる仕組みの鍵は、量子もつれであることを見いだした。
特に、エネルギー密度のような時空の中の局所データが、量子もつれを用いて計算できることを示した。

量子もつれは、異なる場所にある粒子のスピンなどの量子状態が独立に記述できないという現象で、
アインシュタインは「奇怪な遠隔作用」と呼んだ。今回、この量子もつれが重力現象の基礎となる
時空を生成することを初めて示した。米物理学会誌フィジカル・レビュー・レターズの注目論文に選ばれた。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720150528eaab.html

プレスリリース:
量子もつれが時空を形成する仕組みを解明〜重力を含む究極の統一理論への新しい視点〜
http://www.ipmu.jp/ja/node/2175