エントロピー増大の話になると、「覆水盆に返らず」がよく
引き合いに出される。全ての説明が間違っているとは思わないが
下のような使用例は正しくないと思う。どうだろう?

使用例

コップに入った水を絨毯の上にこぼしたとする。水は勝手に散らばるが
自発的にコップに戻ることは無い。これがエントロピー増大の
法則である。

反論
@コップに入れた水は自発的にこぼれたわけでは無い。(蒸発を除く)
散らばったのは仕事をしたからだ。仕事をすれば、
エントロピーはむしろ減少する可能性がある。

A散らばった水をそれぞれA、B、C、Dと名づける。
散らばった状態ではA、B、C、Dは互いに位置を交換できないが、
コップの中でABCDが混ざっている状態では位置が交換できる。
ゆえに、コップの中の状態の方が状態数が多くエントロピーは高い。
(温度はこぼれる前後で同じとする。)