音のドップラー効果の場合ですと、
例えば直進してくるサイレンを鳴らした救急車とすれ違う場合、すれ違ったとたん、救急車のサイレンの音は小さく聞こえていきます。
それは、直進しながらサイレンの音が加速されていて、すれ違ったとたんに加速されながら遠ざかっていくためであるとされています。
このとき問題とされているのは、音の大きさであり、時間の経過ではありません。

音速を340m/sとして、680m離れた二地点AとBにおいて、数を数えていくとします。Aにおいて「0.1.2・・・」と数えていく時、
Bにおいては、Aにおいて、「2」を数えた時に「0」が聞こえてくることになります。
Bにおいて「0」が聞こえてきた時に、340m/sの速さでAに向かって進み始めると、Aから510m(Bから170mの地点)で、「1」が聞こえ、
AとBの中間地点で、「2」が聞こえ、Aから170m(Bから510m)の地点で、「3」が聞こえ、Aに到着した時には、「4」を数えようとしている時ということになります。
しかし、BからAに向かって進んでいた時間は2秒間でしかないのです。Bから音速で向かった人は、680mの間に4秒間を体験したことになります。

このことから考えても、光速でアンドロメダ大銀河に向かって進んでいくと、アンドロメダ大銀河は2倍の速度で歳を取っていくことになります。
理論的にはこれは正しいのでしょうが、光速で進んでいくと(視覚は光速の速さでものを捕らえることになりますから)、テープの早回しを見るように、
時間は2倍の速さで進んでいくように見えてくることになります。

光速で飛行すると時間の経過は「0」になるという理屈よりは、時間の経過は、通常と同じで、2倍の時間を体験できるというほうが正しくはないのでしょうか?