結局「二匹目のドジョウ狙い」ってんじゃないだろうけど、タロウと同じ人に作らせたのが失敗だったんじゃないのかと。
依頼する方は「前作のような感じで」と期待するかもしれんが、作る側はどうしたって前作とは差別化しないと作る意味が無いからね。
その辺がすれ違ってしまったんだろうな。

DVD最終巻のライナーに載っている対談の中でも当時の事をこう振り返っている。

真夏――そもそも、何故僕に主題歌を歌わせようという事になったんですか?
熊谷――いや、あなたが「歌の勉強をしてる」って聞いたから(笑)。それと、新しい路線を狙ったんですよ。
橋本――そうでしたね。
熊谷――でも、「暗いんじゃないか」って声が出て来たんですよ。「子供達が歌えないよ」ってね。
真夏――「地球の最後」みたいな感じですもんね(笑)
熊谷――子供達が歌えないというのは音程的に難しい歌だったという事もあるんですけど、
明らかにそれまでのウルトラシリーズの主題歌とは違ってたんですね。例えば「タロウ」の場合は
ウルトラの父がいて母がいて、ここにタロウがいるっていう事で、どっかで柔らかい印象がありますし、
子供達が楽しく口ずさめるメロディー、歌詞ですよね。「レオ」も同じく阿久さん作詞、川口さん作曲の作品なんですけど、
まあ阿久さんも「タロウ」の場合は自分の子供に聴かせる、歌わせるつもりで作ったという事でしたから、
思いが全然違ってたのかもしれないですね。
橋本――でも主題歌に関しては、プロデューサーサイドの失敗でもあるんですよね。
「タロウ」の時に阿久 悠さんと川口 真くんにお願いして、非常に上手く行きましたよね。
これはまあ、熊ちゃんも、作ったお二人もそう感じたと思うんですよ。そのお二人にまた、もう一回頼んだのがいけないんですよね。
どうしたって他の方向を模索しますから。そうしたらどうしてもシリアスになっちゃうんですよ。
だから、その辺はやっぱり「安易だったな、お前」って反省する所でもありますよね。