爆発炎上する倉庫がタイトルバック、ウルトラQでは、珍しい始まり方で、
まるでアクション映画みたいなのが新鮮だ。今回は、半分はアクション映画のような構成で、
スリルとサスペンスを交えたユニークな内容で面白いのだが−−−

 ゴーガを攻撃するシーンで、とんでもないシーンが出てくる。
自衛隊のジープを運転するのが淳。バズーカ砲の補助が一平、そしてその横には由利子が座っている。
唖然としか言いようがない。しかも任務終了後、この3人は当たり前のように作戦指揮所らしき部屋に入ってくる。

 なぜこのような想像を絶するトンデモシーンを挿入するのか。
本来、自衛隊員以外は登場しないシーンである。脚本段階でおかしいと思わないのか。
上原正三のシナリオライター人生の中での最大のミスと言えよう。
3人とも民間人なのに軍事作戦、しかも、あの状況下では最前線での戦闘参加などという事態は絶対に有り得ないのだ。
謎の女性は「国際文化財保護委員会の調査員」等という、仰々しく細かい肩書を設定しているのに対して、
戦線が崩壊し、都市ゲリラ戦状態でもないのに、自衛隊がなぜ民間人を参加させるような異常なストーリー展開になるのだろうか。

 沖縄出身の上原正三の思考の中に軍隊敵視、自衛隊蔑視や偏見の意識があるのならば、非常に残念な事である。
出来るならば、このシーンに関しての詳細な説明と自衛隊への認識を知りたい。
またプロデューサーや現場の制作スタッフは傍観していたのだろうか?