俳優に転身していた元安藤組の組長、安藤昇がある日、倉本を訪ねた。用件は「不良上がりの岩城滉一という新人を預かっている。なんとか出演させてほしい」だった。岩城も後に事件を起こすなど暴れん坊だった。

 最終回での共演後、岩城はショーケンに「不良をウリにしているが、フリをしているだけ。あんたは“フリオ”だよ」とガンをつける。周囲はケンカになりそうな雰囲気に固唾を呑むが、岩城より1つ年上のショーケンは低い声で
「今はな、オレたち役者の仕事をしているんだぜ」と返しただけで挑発に乗らない。岩城は無言のまま、その場を去ったという。スタッフの1人は「もし萩原さんがマジに怒ったらと心配で足が震えた」そうである