>>265
いやあ、「裸の島」は大傑作じゃん。
あのアングルの切り取り方の巧みさと、カッティングのキレは、全盛期のスタンリー・ドーネンを超えている。
題材は泥臭いのに演出は実にシャープで、リズミカルで、一瞬のよどみもない。
撮影も音楽も美しく、非の打ち所がない。
しかし、俺は大嫌いだ。

前に、この懐かし邦画板にあった左翼映画人スレッドで、あの作品が話題になった際に、
「あんなのは労働価値説をそのまんま映画化しただけだろ。(あの登場人物は)誰得の人生だよ」
という書き込みがあったけど、俺はソレにまったく同感だね。
あの登場人物たちは、何の為に生まれてきたんだ?
真面目に働くだけで、その労働の中でしか喜びを得ることがない。
そんな人生を、あたかも「素晴らしい事」であるかのように描いてる。
まったく糞だ。

「仁義なき戦い・広島死闘編」の中で、千葉真一が、
「わしら、何の為に生まれてきたの? 
うまいメシ喰ってマブいスケ抱く為に生まれてきたんじゃないの!」
と怒鳴っていたが、俺はそっちの方に圧倒的に共感する。

しかし、「裸の島」が糞だからと言って、それを監督した新藤兼人という人がクソ男だったかというとそんな事はなく、
非常に魅力的な人物であった事も間違いない。
https://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/rmovie/1143392678/521
(俺の書き込み)