日本映画を本格的に語ろうと思っている人や、監督になりたいなあと思っている人は、この映画を百回くらい見ると良い。映画の演出技法というものが、今から60年以上も前にほとんど完成していたという事実に驚くだろうから。

  侠気、人情、ユーモア、チャンバラ、お色気、美人と美男、そして愛すべき「イカすぼんくら野郎たち」。およそ映画の楽しさのすべてが詰め込まれていると言っていいんじゃなかろうか。

 ああ、面白かった!と素直に叫べる作品こそが映画の本当の醍醐味を教えてくれるのだ。そういう映画をもっともっと見たいのだ。