■■■ 天才・山中貞雄の「丹下左膳」 ■■■
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丹下左膳 …大河内伝次郎
お藤 …喜代三
チョビ安 …宗春太郎
柳生源三郎…沢村国太郎
(監督:山中貞雄、脚本:三村伸太郎、撮影:安本淳、音楽:西梧郎、美術:島康平)
昭和10年に作られた名作、「丹下左膳余話・百万両の壺」について、大いに語りましょう。 いや、だったら、正しいんじゃ?
「概念化」されたのが最近(しかも、2000年前という言い方から、この最近というのは
けっこう長いスパン、100年前くらいまで考えられる)と言ってるわけだから。
要するに>>33と>>24は同じこと言ってるんだろ 喜代三のおかみさんええですな。和久井映見は機嫌悪すぎ。
喜代三は「きよみ」ですよね。「きよぞう」だとおっさんみたい。
「きよぞう」が正解らしいですね
「ウソ」だろう、と思っていましたけど
私のオヤジが、そう言ってました。
当時、あの映画は片田舎には来なかったみたいですね。 喜代三は芸者出身。新橋喜代三と言ってレコードも吹き込んでいる。後に山田耕筰夫人となる。 和久井映見は凄味を出そうとがんばってるんだろうが、ただ機嫌悪いだけにみえます。
機嫌悪いから見てる方も機嫌悪くなる。喜代三は素人なのに余裕の演技ですよ。
道具屋の二人の漫才師夫婦もひどいが、この映画では道具屋と呼ばず、回収屋と呼んでます。
落語でもこういうのは道具屋と決まってます。モー雰囲気ぶち壊しです。
トヨエツが矢場の客に向かって「弓引くのがそんなにおもしろいかねえ」みたいな事を言ってますが
大の男が弓矢当てて景品もらうためにあんなとこ来ません。女の子が目当てなんです。
だから深水藤子が「今日もいらっしゃらなかった・・・」とつぶやくわけですし、
最後の場面で沢村国太郎の「浮気ができん」という台詞にもつながってくるのです。 >>44
矢場はあの的の後ろが小部屋にしきられていて、店の女衆がそこで春をひさいだのです。
それ、俺も調べて知ったんだが、昭和初期には、観客にとって常識だったってことなんだろうな >>46
うん、だろうね。
喜代三のおかみだって矢場の女上がりなんだよ、きっと。
芸者や吉原女郎なんかよりも格下でしょう。
苦労したあげくに、まともな所帯持ちにもなれない女で。
だから片目、片腕の分けのわからない男を用心棒と称してひっぱりこむし、
子供なんか大嫌いとかいいながらチョビ安がほっとけないんだ。
けっこう悲しい境遇にあるんだと思う。
そういう場所もあったってだけで普通の遊戯施設としての矢場の方が多かったはずだぞ 三田村鳶魚でも、宮武外骨でも、岡本綺堂でも、伊藤晴雨でもいいから、自分で読みなさいよ。 >>51
木村荘八『新編東京繁昌記』岩波文庫に併録されている「矢場」(昭23)より。 三田村鳶魚にかかるとどんな物書きもタジタジなんだが
矢場について書いてましたっけ? >>51
議論をしてるわけでもないのに偉そうに根拠求めるなよw
図書館行きゃ資料は沢山あるもんだぞ 大河内が素晴らしいな
昔の人ならではのおおらかさがある
山中にしても以後こういう人はいないな 八月に早稲田松竹で二本ダテやるですよ おまいら
『人情紙風船』&『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』 と言って、行くんだよね。
あの映画は
そのギャグが笑えるのが楽しい。
DVD昨日買ったけど、観に行く〜。
詳しい日程早く知りた〜い。
by 30代独身男性 来月時代劇専チャンで山中3作品やりますね。
よう考えたら時代劇なんやね。 うちのカミさんとのメールのタイトルは
いつも「うッ」だけです。(中身は別として)
バクチ(競馬)に負けたのね。の意味が、込められて。
(ま、合言葉ですわ) すっごい野暮なこと聞いちゃうけど、左膳が招き猫やダルマさんを
裏返すのは、どういうサイン? まさか「今夜はシッポリ…」サイン!? 単に運を招いてくれる招き猫にまずい唄聞かせられないってだけでしょ。ヌカミソのフタ閉めに行っちゃうし。
寺子屋に行く途中でいじめられてる安吉を送るだの送らないだのやり合った後、
互いに様子を見合ってるお藤と左膳。あの時間が堪らなく良いな。 この作品を観て、もう思い残すことは何もないと思いました。 この映画はエロール・フリンものみたいに全編音楽がついている
一方「ヒューマニティペーパーバルーン」は音楽は皆無と言っていい
失われた他のトーキー作品ではどうだったんだろ >>69
もうあまり命が長くないんですが、この作品に出会えよかったです。
ありがとうございました。 なんて面白い映画だよ。この映画は。
初めて見たけど、この感動は。
70年も前にこんなに完成された映画があったとは驚きです。
いい映画を見れて良かったよ。 裕次郎の映画、
あの当時、見ていたときは面白いと思ったけど
今、見ると、イマイチ。 黒澤(三船)の映画、
あの当時、見ていたときは面白いと思ったけど
今、見ると、イマイチ。 山中の映画、
70年たった今、初めて見てスゴイと思った
時代が経っても、面白いのは
本当に素晴らしい映画(名画)、と言えるんでしょうね。 今も、あーいう矢場って、あるんですかね。
← 時代が違うから、ないか? 昨日、テレビで「蝉しぐれ」見たが
感動という面では、レベレアップを感じたが
今さらながら、山中のユーモアがほとんどないし。
マキノのテンポの良い楽しさもない。
その面では、退歩しているのか?
それとも、現代ドラマに持っていかれているのか?
と思った、だよー。 是枝の「花よりもなほ」をやっと見たが、チラチラ山中三作品への目配せをまぶしてる
作品はイデオロギーくさくて見られたもんじゃなかったが
宮沢りえの存在感も「父と暮らせば」には遠く及ばないし
是枝の「花よりもなほ」
そんな映画、あったんですか 父の仇を討つために東京・深川の貧乏長屋に住み着いた田舎侍が繰り広げる、笑いあり、涙ありの人情時代劇。
興味が出てきたぞ それより西川美和の「ゆれる」の方がいいぞ
ところで、最近香川照之は河原崎長一郎を彷彿させるようになってきたな >>37
今さらながら・・・
>喜代三は芸者出身。新橋喜代三と言ってレコードも吹き込んでいる。
>後に山田耕筰夫人となる。
検索したが
山田耕筰 →中山晋平(童謡「しゃぼん玉」や「東京音頭」の作曲家)
の間違いでは?
ttp://www6.plala.or.jp/guti/cemetery/PERSON/S/shinbashi_k.html この映画って、ほとんど全編に音楽がついてて、
喜代三が三味線で歌い始めると、まもなくオーケストラが入る
つまりほとんどオペラなんだが、この年はちょうどハリウッドで
コーンゴールドが活躍を始めた年に当たる
そのことを考えるとかなり先駆的なのだろうか
日本の映画でこういう音楽べったりというのは、何時頃から始まったのか
誰かはっきりしたことをご存知ですか
いつ頃から始まったのかは知らないが、始めたのはマキノ正博じゃないか。 沢村国太郎が女房に見送られて寂しそうに屋敷から出てくるシーンで
女房が見えなくなった途端、威勢のいい音楽に変わり
颯爽と歩き出すとこなんか最高だね。 西悟朗って戦後も時代劇が多く、すぐれた作曲家だと思うんだが
資料がまったくないね
ウィキに、鈴木静一が出てるのには驚いたが、さすがに西悟朗は載ってない 日本映画を本格的に語ろうと思っている人や、監督になりたいなあと思っている人は、この映画を百回くらい見ると良い。映画の演出技法というものが、今から60年以上も前にほとんど完成していたという事実に驚くだろうから。
侠気、人情、ユーモア、チャンバラ、お色気、美人と美男、そして愛すべき「イカすぼんくら野郎たち」。およそ映画の楽しさのすべてが詰め込まれていると言っていいんじゃなかろうか。
ああ、面白かった!と素直に叫べる作品こそが映画の本当の醍醐味を教えてくれるのだ。そういう映画をもっともっと見たいのだ。 >>92
>日本映画を本格的に語ろうと思っている人や、監督になりたいなあと思っている人は、この映画を百回くらい見ると良い。
たぶん是枝はそうしたんじゃまいか
で、できたのが「花よりもなほ」ではなあ・・ かと思うと、ちょい安に数を数えさせて一瞬にクセ者をぶった斬るという、
まるで西部劇の早撃ちみたいなシブイのもある。
映画と観客の一体感。見せ場の演出のアイデアが楽しくて、嬉しくてたまらないぞ。
あの時代に
西部劇の早撃ち、みたいな映画つくるなんて凄い 「丹下左膳余話・百万両の壺」廉価版(1800円)実売1000円でした。
ついでに、
「続、丹下左膳」(マキノ、大河内)も出ていました。
昨日、東京駅のCD屋でこの百万両と人情紙風船の廉価版2本を購入。
さっそく昨晩は百万両の方を観ました。
いや、まったくここで語られてる通り。面白い!
何がいいって、テンポの良さが最高。
その通りだと思います。
私は初めて見てから、
3ケ月の間に4回も見てしまいました。
それだけ、完成度が高く面白い、と言うことなんだろうね。 PD盤は正規で入ってた幻の立ち回りシーンも入ってるの? そういう言い方をしたら、グリフィスで完成してる
後は音と色がついただけ >101さん
「人情〜」DVD廉価版の画質・音声はどうなんでしょうか? 「道場へやるんだ!」の次のカットでちょび安の習字を褒めてる左膳。何度観ても笑える。 やだい!やだい!「幻の場面」もっとなくちゃやだい!
矢場で刀抜くシーンとか道場のシーンとか
大河内の殺陣、凄いんだもん 高勢実乗と鳥羽陽之助のコミックな動きは完璧だね。
なんかのビデオでサイレント映画に出てた高勢実乗を観たがスラプスティック
な迫力が横溢してた。
この映画とは関係ないけど同時代(?)のデブ役者(失礼)横尾泥海男もスキです。 たしかに
高勢実乗と鳥羽陽之助
今で言えば、お笑いキャラなんでしょうね 「朱鞘罷り通る」(市川右太衛門主演)は
脚本、書いているんだね まるで敵討ちと同じだ
10年かかるか、20年かかるか
と言って、矢場に通う沢村国太郎のシーンが
愉快で、アタマから離れません。
こんな柳生源三郎、今までいましたっけ? 久しぶりに見たけど
やはり、面白い
一言で言えば、ユーモア満載の映画だね CSで三隅研次版見たけど、ひどいな。
山中版のカラリとしたユーモアが全くない。
山中の映画で面白いのは「丹下左膳」だけだな。
他のは、シナリオは抜群に面白いのに、映画をみたらがっかり。
もっとも、市川 崑さんは「人情紙風船」を傑作だと言っていたけどね。
>>122
ものすごく乱暴なご意見
山中って生涯撮った12本のうち3本しかフィルム残ってないんじゃなかったっけ?w
しかも3本とも上出来だよね 山中は、70年経っても「天才」です。
超えるヤツ、いつになったら出るんだろう 越える奴?
いっぱいいるだろw
小津安二郎、溝口健二、成瀬巳喜男、黒澤明、木下恵介、今井正、田坂具隆
内田吐夢、市川崑、豊田四郎、大島渚、今村昌平
これらの監督の作品の良いものは、山中の最良の作品を越える。
山中は早死にしすぎた。 >小津安二郎、溝口健二、成瀬巳喜男、黒澤明、木下恵介、今井正、田坂具隆
>内田吐夢、市川崑、豊田四郎、大島渚、今村昌平
それぞれの代表作、上げてけろ 代表作:とりあえず三つまであげる(多くあって迷う監督もあれば、そうでない監督もいる)
小津:東京物語 (晩春、生まれては見たけれど)
溝口:西鶴一代女 (近松物語、山椒大夫)
成瀬:浮雲 (めし、稲妻)
黒澤:七人の侍 (天国と地獄、用心棒)
木下:二十四の瞳 (野菊のごとき君なりき 楢山節考)
今井:キクとイサム(にごりえ 越後つついし親不知)
田坂:女中ッ子 (五番町夕霧楼 湖の琴)
内田:飢餓海峡 (浪花の恋の物語 血槍富士)
市川:おとうと (細雪 炎上)
豊田:夫婦善哉 (猫と正造と二人の女 恍惚の人)
大島:愛のコリーダ(絞死刑 少年)
今村:にっぽん昆虫記(うなぎ 人類学入門)
山中は早死にしたからちょっと神格化されてるところがあるな。
早死に以前に3本しか残ってないし、最良の作品も何もないと思うけどな。
>>128
サンクス
その中で、俺が見たのは
小津:東京物語
溝口:西鶴一代女 (近松物語)
成瀬:ここにはないが、女が階段を上がる時
黒澤:七人の侍 (天国と地獄、用心棒)
木下:二十四の瞳
今井:(越後つついし親不知)
田坂:(五番町夕霧楼 湖の琴)
内田:飢餓海峡 (血槍富士)
市川:ここにはないが、東京オリンピック、犬神家の一族、破戒、他
豊田:夫婦善哉
大島:ここにはないが、青春残酷物語
今村:にっぽん昆虫記(うなぎ 人類学入門)
どちらかと言うと、生々しさ(リアリズム的)のものが多いですね。
この中で、印象(個人的趣味)に残っているのは
用心棒ぐらい、かな。
人の好みなんでしょうけど
ソソラレルのが少ないです。 参考にして、これから
時間をかけて、ノンビリと
見てないもの、見てみます。 >>131
>女が階段を上がる時
小津や溝口が終生格の高い作品を取り続けたのに対して、
成瀬は一歩間違えると、お昼のテレビのメロドラマに堕す。
女が階段を上がる時は、風俗メロドラマ。
成瀬にしか撮れない(だれにもまねできない)、格調の高い作品は「浮雲」
小津:「生まれては見たけれど」や戦前の喜八ものなどを見ると、いかに小津が才気煥発だったかわかる。山中以上。麦秋、小早川家の秋、早春、浮雲(カラー版もいいが、戦前の白黒の「浮雲」の方が叙情深い)もお薦め
溝口:「浪華悲歌」「祇園の姉妹」「残菊物語」も必見。「浪華悲歌」は小津「俺に撮れない写真」、飢餓海峡の構想を練っていた内田「結局、ミゾさんの浪華悲歌一本だな」と巨匠連がこぞって絶賛した作品。ただし現在は30分ぐらい映像が失われている。
黒澤:「酔いどれ天使(ミフネがやけにかっこいい)」「野良犬」「生きる」「羅生門」「隠し砦の三悪人」「蜘蛛の巣城」「生き物の記録」「椿三十郎」「悪い奴ほど良く眠る」も必見。後期の作品では「乱」ぐらい。
木下:実験的な遊びをやりすぎて映像を台無しにしているが「笛吹川」が意外な傑作。木下独特の毒のある「日本の悲劇」木下の才気ぶりを伺える喜劇「破れ太鼓」なども必見
今井:「米」この映画により裁判が覆った「真昼の暗黒」「夜の鼓」「仇討」「武士道残酷物語」
田坂:やはり「女中ッ子」が必見
市川:市川さんはあれやこれや撮っているから、ちょっと首をかしげるものもある。(もちろん、市川さんにしてわだが)。「おとうと」が最高。「股旅」もおもしろい。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています