三船プロ制作、小林正樹監督の『上位討ち 拝領妻始末』について、司葉子の証言によれば小林監督がわざと撮影を遅らせるような
ことがあって(俳優プロダクションが気に入らない?)、三船敏郎が制作資金のことなんかで随分気をもんでいたらしい
また加藤剛がお気に入りで、どんな演技でもOKを出すし、妻役の司葉子に焼きもちを焼いて、食事で加藤と同席することも許さ
なかった

一方小林正樹の証言では、加藤剛の演技がとても良くて、逆に東宝が推薦してきた司葉子には手を焼いたとか
声質が細くて軽く、時代劇の発声ができないので、所作までいちいち手本を示さなくてはいけなかった
ただ素直なところは長所・・・とかなり辛辣な評価

で、実際に映画を観てみると、加藤剛の演技だけがテレビドラマみたいで、明らかに浮いていた
司葉子の発声はいつもとそんなに変わらないから、特訓の成果とかじゃなくて、単に監督が女優嫌いなのかも
小林作品の現代劇の女性は何か作り物臭いけど、時代劇なのでそんなに違和感はなかった
分かったのは、小林監督は美男子に甘く、女優に手厳しいってこと