遺作「真剣勝負」。
脚本を書いた伊藤大輔の遺作は「幕末」なのに、この差は何だろう(質じゃないよ。規模の話。質的にはどっちもどっちだ)。
あ、主役はどっちも錦之助だ。
BSで既に見ていたが、スクリーンで見ても大して印象は替わらない。
あの尻切れは脚本通りなのか? それとも病でクライマックスが撮れなかったのか?
冒頭の三十三間堂は書割の上に、人物を合成という実に安っぽいことをしている。これはスクリーンでなければ判らなかった。
多用されるモノローグに、意味不明なストップモーションの濫発(技術上の都合かその箇所を含むカットの画調が替わるので、後半になると、来るな、と判る)。
「幕末」もこんな感じだったか。
遺作までクオリティを保ち続けた巨匠はD・リーンくらいなのかとしみじみ思う。