>>17
その分類はどうかと思う。
特に衰退期については、その4本はすべて新しいことに挑戦した作品だ。
「どですかでん」初のカラー。架空の町が舞台。
「デルス・ウザーラ」初の海外作品。高所からの俯瞰カット一切なし。
「影武者」初のカラー撮影時代劇。出演者を一般公募。
「乱」屋外に巨大オープン・セット建設。セリフも効果音もない戦闘シーン。
それに続く「夢」もオムニバスだったり、
「八月の狂詩曲」では外国人スターをキャストに加えたり、
「まあだだよ」ではあえて物語から抑揚を配して、固定化した人間関係の描写に的を絞ったり、
末期の黒澤は様々な実験への野心に富んでいた。
衰退期どころか、‘実験期’とでも言うべきだろう。

>>18
「影武者」の各賞受賞については、‘名誉賞’的な意味合いが強いんじゃないか。
自殺未遂して、その後は小品を撮っていた巨匠の、久々の時代劇大作ということで。