邦画における名演技も数々あれど、
個人的に頂点ではないかと思ってるのが黒澤明作品「白痴」の原節子と森雅之だ。

荘厳で破滅的なヒロイン、アンビバレントな魅力をふりまくナスターシャを威風堂々演じた原、
有島武郎の嫡子という華やかな血統さながらに、純真無垢な白痴のムイシュキン公爵を品格たっぷりに演じた森。

粗暴なロゴージンを演じた三船も良かったが何しろ原と森の素晴らしさは奇跡的ですらあった。
フィルムをズタズタに短縮されなければ、羅生門、七人の侍、デルス・ウザーラ以上に大絶賛されていたのではなかろうか。