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「季節のない街」を読むと、あの子供が死んでいく場面で突然、
地の文章が乞食親父に対する罵倒になるんだよね。
それまでずっと客観描写に徹してたはずの作者の山周が、
いきなりこの親父に対して感情を爆発させるかのように、
「お前は自分の子供が目の前で死んでいこうとしているのに何をしているのだ!」
みたいな文章がしばらく続くんだけど、あれはどういう事なんだろう。
「小説」として考えたら明らかに形式の破綻としか思えないし、
冷静な作者の立場に収まっていられないなにかが溢れ出てしまったんだろうか。