>汽車のシーンで別れた後二人はどう成長したのか激しく気になるなあ。
>最後の写真立てのシーンの部屋、あれは武なのか進二なのか。
>頭のいい進二に触発された武もインテリになったんだったらいいな。

>16
あなたの感性と共通するものがある。

この映画を少年の「同性愛的感情」にスポットを当てたレスが
多いようだ。
それはドラマに奥行きを与えてはいるが、
映画の主眼と魅力はそんなところにはないような気がする。

戦前(戦中)戦後の日本人の精神史の断面が絶妙に描かれている。

ラストシーン。トンネルに入った列車に向かって武がナチスばりの敬礼をする。
画面が暗くなる。その暗転が「戦後」への時間を表現する。
数十年という戦後を経て、思い出の写真を書斎に置いた進二。
(おそらく効をなし名を成したのだろう)

あれから数十年、廃墟から復興し経済繁栄を成し遂げた日本。
戦後、武や進二のような記憶を刻んだ1億人の日本人の
精神の時間がそのときふと蘇る。

このような鮮やかラストシーンは空前絶後と思う。
駄作の多い篠田だが、この一作は頭抜けている。