0001Nanashi_et_al.
2015/01/22(木) 20:22:19.94http://mainichi.jp/select/news/20150121k0000e040177000c.html
STAP細胞の論文発表から、間もなく1年がたつ。刺激を与えるだけで体細胞を受精卵に近い
状態に初期化させることができたという内容で、再生医療への応用や新たな医療の開発につながる
と期待された。だが、科学的検証でSTAP細胞は存在せず、既存の万能細胞のES細胞
(胚性幹細胞)だったことが確実になった。一連の経緯を振り返ると、論文の主要著者が在籍した
理化学研究所が当初、不正の全容調査を渋ったことが騒動の長期化を招き、結果的に真相解明
を遠のかせた印象をぬぐえない。理研の信頼回復への道は険しい。【東京科学環境部・須田桃子】
◇疑問点に答える解析には消極的
昨年12月26日、2度目の調査委員会(桂勲委員長)の記者会見で、スクリーンに次々と映し出
されたのは、筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子氏(31)の研究室などに残っていた試料の詳細な解
析結果だった。
それによると、STAP細胞から作られたという「STAP幹細胞」などは、計3種類のES細胞が元にな
っていた。万能性を確かめる実験で作られた組織やマウスも、ES細胞に由来する可能性が非常に高
いと結論付けられた。
調査委が調べたのは、論文公表前の多岐にわたる実験や解析の結果だ。その都度、偶発的なミス
でES細胞が混入したとは考えにくく、調査委も、何者かが故意に混入させた可能性を強く疑った。しか
し、誰がなぜ、どのように混入させたのかという最大の謎に答えが出せず、不正と断定することもできなか
った。
「ES細胞ではないか」という指摘は、疑義発覚後の早い段階からあった。だが、理研本部や、不正
の舞台となった発生・再生科学総合研究センター(CDB、当時)の幹部らは、STAP細胞を新たに
作製する検証実験にこだわり、解析には消極的だった。
(続く)