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★☆★歴史的にきわめて古く、教会の初期には大きな意義を持っていた「助祭」という制度★☆★

聖職位階制から見れば、司祭の次の階級は助祭と呼ばれる。
この階級は歴史的にきわめて古く、教会の初期には大きな意義を持っていた。
助祭は司教から司祭叙階に準じて、祈りと按手による秘跡的儀式によって叙階される。
古くは女性も叙階され、女執事、女性助祭と呼ばれて聖職者の内に数えられていた。
年齢も3世紀末には60歳から50歳へ、そして、カルケドン公会議では40歳までと
比較的若い女性が助祭になれるようになった。
この男女の助祭は結婚しているのが普通で、
教会からも公式に認められていた(ニケア公会議、トルロス教会会議など)。
これらの助祭たちは世俗社会のなかにあって、民衆と等しい生活をしたため、
民衆の苦悩や生活難、家族問題などを共感をもって深く理解することができた。
こうしてかれらは民衆の心をつかみ、教会のために働いた。
その主な仕事は救貧と教会財産の管理、祭儀の世話、
聖書の説教、聖体拝領、悪魔祓いなどであって、
臨終には告解を聴き、罪の赦しを与え、破門を解くことさえもできた。
女性助祭は主として女子の洗礼、教理教授、貧者病者の世話にあたった。
しかし教会がギリシア語を教会用語とする東方教会と、
ラテン語を用いる西方教会(ローマ・カトリック)とに分離するにしたがい、
助祭は西方教会ではその機能を奪われてしまった。
そこで今日のローマ・カトリック教会の助祭職は
司祭職への通路としての意味しかもたなくなってしまった。
このことが現代のローマ・カトリック教会が
現代社会から遊離する原因となったといわれるのは当を得ているように思われる。
(講談社現代新書「カトリックと日本人」より抜粋)