金剛般若経 第二〇章

師は、スブーティ長老に、こう尋ねた。

「スブーティよ、あなたは、どう思うか。
如来は、色身を具足されたと、見るべきか。」

スブーティ長老は、師に、こう答えた。

「師よ、そう見るべきではありません。
というのも、如来は、こう説かれている。
『色身を具足するとは、具足するにあらず』
これを、色身の具足であると、説かれている。」

師は、スブーティ長老に、こう尋ねた。

「スブーティよ、あなたは、どう思うか。
如来は、諸相を具足されたと、見るべきか。」

スブーティ長老は、師に、こう答えた。

「師よ、そう見るべきではありません。
というのも、如来は、こう説かれている。
『諸相を具足するとは、具足するにあらず』
これを、諸相の具足であると、説かれている。」

ーーーーーーーーーーーーーーーー

この辺が鈴木大拙の「即非の論理」とやらの出どころ