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> クロパの妻マリヤはイエスの姉か妹でしょうか?

ヨハネ福音書一九・二五のクロパはイエスの叔父になるといわれています。

私が予想したイエスの姉妹ではなく『教会史』によれば母の姉妹と読めます。

マグダラのマリヤはイエスの奥様ではない。『ナグ・ハマディ文書』では奥様。
クロパの妻マリヤはイエスの姉妹ではない。『教会史』では叔母。
イエスの母マリヤは『新約聖書』に語られている。


ユダヤ教内のキリスト信仰
 第一章 ユダヤ教内のキリスト信仰 ―― 主の兄弟ヤコブとヤコブ書 ――
  第一節 主の兄弟ヤコブ
   ヤコブ以後のエルサレム共同体

 エルサレム共同体の信徒たちは、殉教した主の兄弟ヤコブを葬った後も
すぐエルサレムを去ることはありませんでした。
少なくとも数年はエルサレムに踏みとどまり、ヤコブの遺骨を骨箱に再埋葬します。
ヤコブなき後、エルサレム共同体はクロパの子シメオンを、
イエスの従兄弟に当たるという理由で後継の監督職に選びます
(エウセビオス『教会史』第三巻一一・一、第四巻二二・四)。
ヨハネ福音書一九・二五のクロパはイエスの叔父になるといわれています。
最初期のエルサレムのユダヤ人共同体では、イエスの親族であることが
監督であるための重要な要件であったことがうかがわれます。

 六〇年代に入ってエルサレムの情勢は緊迫化し、
その中で62年にはヤコブの殉教も起こることになるのですが、
その後ローマとの関係はますます険悪化し、
ついに66年には第一次ユダヤ戦争が勃発します。
この時期、多くのユダヤ人が戦禍を逃れて国外に脱出します。
この前後の時期にエルサレム共同体は、
食料不足や過激派間の抗争で混乱状態に陥った聖都を見限り、
逃れるようにという預言もあって、ヨルダン川東岸のペラに脱出します。
これは67年または68年と見られています。
一部の者たちは、エルサレムと緊密なつながりのある集会が
形成されていたアンティオキアに逃れたと推察されます。

市川喜一 著作集 総目次
第13巻 ユダヤ教内のキリスト信仰(ヤコブ書、ペトロ書U、ユダ書)
ttp://www.tenryo.net/old/CathLetter01.htm