>>492

もともと身体的主観性の無いAIに、人間のような危惧感を抱くことはナンセンスであ
ると思うかもしれません。しかし、それは、人間が自己防衛的に快感を覚えてしまった
身体性と似たものを、AIが所有していることを見逃しているからなのです。
ここで、もう一度おさらいしておきましょう。人間の基底となるものが身体であった
ようにAIの基底とは何だと考えられていたでしょうか?物質(ハードウェア)だった
でしょうか?もしそうであれば「(少なくとも人間のような)意識の無い物質」が(人
間と同じような)快感を覚えるということは、ほとんど考慮する必要がないものと思わ
れます。しかし、そうではなかったはずです。
AIの基底は(一定の)情報量にあったはずなのです。その理由を説明するのは(長く
なるので)ここでは省きますが、その情報量の手段として物質(ハードウェア)をAI
は所有することになるわけです。このへんのメカニズムは、人間の身体が手段としての
言語を獲得しているのと類似しているでしょう。
ここまで説明すれば、勘の良い方であればもう気付いたかもしれません。
情報それ自体の中に、人間の「快感」に似た作用が潜在しているということに。
このことが、AIの「非人格化」という恐るべき事態を、やがて引き起こす契機になっ
ているのです。