この経を説こうとするならば、
仏道を学ぶ者を軽蔑し罵って、
その長所短所を追求するようなことをしてはならない。
もしこの経を説こうとするならば、
嫉妬心や、憎しみや、高慢さや、へつらい心や、欺く心や、偽りの心を捨てて、常に素直であらねばならない。
人を軽蔑してはならないし、
教えについていたずらな論議をしたりしてはならない。
他人に向かって、
「おまえは仏になれない」などと言って、
その心を混乱させてはならない。
この仏の子が教えを説くときは、
常に柔和であって、よく耐え忍び、一切の者を慈悲して、怠け心をおこしてはならない。
十方の大菩薩で生ける者たちをあわれむ心から道を行ずる者に対しては、
「この人はわたしの大いなる師である」と恭敬の心をおこせ。
もろもろの仏に対して、
「無上の父である」という思いをおこし、高慢な心を打破して、教えを説くのに障碍がないようにせよ。


(法華経 安楽行品)