>>715
以下の論文を参照にされるといいと思います。

仏教瞑想論 ──アジア諸地域の特徴について──
http://zenken.agu.ac.jp/research/42/14.pdf


要は以下のように思います。

1.止について
 > 止は、観察の対象(業処kammatthAna)が一つに限定され、他のものに心の働きが移った時に、最初のものに戻るという特徴が見出されます。
 > 目指されているものは心の働きを減少させて静かにすることです。
 > ここでも心の働きの一つ一つに「気づく」ことがポイントになります。」

2.観について
 > 一方の観は、観察の対象が一つに限定されず複数のものになり、恒に身体が感じ取っているものを気づき続けるところに特徴があります。
 > 目指されているものは、受→想→行→識の一連の心の反応を途中で気づいて、心が一気呵成に反応して、さまざまな働きを生じさせることから脱却させることです。
 > ここでも「気づく」ことはポイントになります。

3.観の実践例
 > ところで、おもしろい例があります。道を歩いていて、誰かと肩がぶつかったとします。あなたならどうしますか。
 > 「気をつけろ」と怒鳴りますか、それとも、ぶつかったときに感じるのは「痛み」でしょうから、「痛み」「痛み」と気づきますか。
 > 「痛み」「痛み」と気づいて、それから優しく「気をつけて下さいね」と言うのが、修行経験の有る方の取る態度となりましょう。

4.観の効能
 > 観の練習をすることによって、心の一連の働きは途中で止められるようになるはずです。
 > 外界からの刺激、そして受容、そして認識、新たな感情の成立、と連続して心の反応が続いていくのでしょうが、それをどこかの段階で気づくということは、そこで心の反応が止まるということを意味します。
 > こうなれば、感情に支配されることは少なくなるでしょう。
 > また、それらの煩悩・害心は生じる機会を失います。
 > それらは、心の一連の反応の結果、生じてくる心の働きに他ならないからです。