>>578続き
 それぞれの文化が違うのは当たり前のことです。西洋文化・東洋文化というのは、違いがあることを示しています。
そこには「文化同士で争ってはならない」という意味が入っているのです。
東洋人は西洋文化を理解する、西洋人は東洋文化を理解する。それで皆、仲良くなる。
仏教の場合も、それぞれを「文化」にしてみれば、いとも簡単に仲良くなるのです。
 テーラワーダ文化も大乗文化も、お釈迦さまの真理の教えが両仏教の心臓だと思えば、仏教はもう一度、世界一の宗教になるはずです。
一貫して人類の平和を語る教えなので、一貫して一切の差別を否定する教えなので、
すべての人類は仏教の教えにしたがって幸福になると思います。
 仏教徒は、何の価値もない神秘やしきたり、どうでもよい習慣などを強調すること、誇示することをいいかげんにやめ て、
人類の心の闇をなくすために、人類の苦しみをなくすために、努力することが義務だと思います。


アルボムッレ・スマナサーラ. ブッダは真理を語る: テーラワーダ仏教の真理観とその変容 (高野山大学での講演録)