(入鄽垂手の続き)
その8
 仏教の話として、
「悟ると、自他一体となって人類みな我なりとなり、
 慈悲の心が自然にわく」とよく言われる。
 スピリチュアル系などで盛んである。
 本当だろうか?

 人牛倶忘・返本還源の段階では、思考・知識を
一時停止するので、自他が連続して(一如)
自他の比較が無く、優劣、勝敗、損得がない。
 また、記憶に振り回されないので、
それに伴う感情も無しであり、
 従って憎しみや愛情も無い。
 さらに、時間経過の比較も無いので、
生死なしである(薪は薪の法位にあり、
灰は灰の法位にあり(正法眼蔵)。