流れ速いんで前のほう読まずに書くからズレてるかもしれないけど
The new international dictionary of the Christian church (Zondervan) によると
一般的にネストリウス派の神学はキリストを神格と人格の二つに分ける異端とみなされるけど
実はネストリウス自身の神学については学者の間では合意がないらしい

ネストリウス自身は、キリストの人性と神性は不変かつ融合しないというアンティオキアのキリスト論を背景に
キリストの人的要素(聖書中の誘惑や苦悩など)を正当に強調するため、分離的側面を強調したんだけど
二つの性質の統合という問題を解決するために、キリストは“common prosompon”(共通のperson)であり
二つの性質を有するひとつのペルソナであると説明しているらしい
結局彼がアレキサンドリアのキリスト論に対して持っていた異論というのは
それがキリストの神性を強調しすぎている、ということみたい

(ここから個人的感想)
もしネストリウスのキリスト論が上述のようなものだとすると
ほとんど正統神学と変わらなくなり、それゆえに今でもネストリウスは教会政治の犠牲者だ、みたいに
言う人がいるんだろうね

ややこしいのはギリシャ定式ではペルソナはprosomponではなくhypostasisであること
用語の対応としてはネストリウスは異端となってしまうけど
実質的には正統とたいして変わらん、ということになるんじゃなかろうか
この辺がネストリウスの評価に関してまだ学者的には論争がある理由なのかも