【箜篌(くご)の喩】

ソーナよ。
汝はどう思うか?もしも汝の琴の弦が張りすぎていたならば、そのとき琴は音声こころよく、妙なるひびきをはっするであろうか?
   
尊い方よ。そうではありません。    

汝はどう思うか?
もしも汝の琴の弦が緩やかすぎたならば、そのとき琴は音声こころよく、妙なるひびきを発するであろうか?

そうではありません。   

汝はどう思うか?
もしも汝の琴の弦が張りすぎてもいないし、緩やかすぎてもいないで、平等な度合いを保っているならば、そのとき琴は音声にこころよく、妙なるひびきを発するであろうか?

さようでございます。
    
それと同様に、あまりに緊張して努力しすぎるならば、こころが昂ぶることになり、また努力しないであまりにもだらけているならば怠惰となる。
それ故に汝は平等な努力をせよ。 
諸の器官の平等なありさまに達せよ。

(パーリ律蔵 大品(マハーヴァッガ))