阿呆陀羅経 第二編
未発表、昭和9(1934)年
糞でも喰へ尻でもしやぶれ屁でも嗅ぎやがれとは何とまあ 汚い題だろ善言美詞の本家本元
大本先生様とも言はれる御方がこんな題をばお出しになるとは あんまりひどいわ情ないわ
 などと気取つてオチヨボ口(陰部)あけてホヽヽヽヽ笑ふお姫様やら淑女やお嬢さん 天女弁天トテ
シヤンナイス クレオパトラやあなない小町 そんなお上品な御方にとつてイヤハヤ誠に以て
お気の毒でも何でも御座らぬ どういふ訳かと訊くだけ野暮だ 訳の解らぬ奴さへ相手に言霊
車でペラペラ喋舌り 喋舌りまくつて読めない人まで愛善新聞 どしどし売りつけ意気も揚々
とシヤンシャン帰る凄いお腕ぢや オツト待つた違ふ凄い舌もつお方のお揃ひ 言霊処かお
姿見れば体格美人に健康美人 非常時美人に国難美人 軍隊式だか尻でもしやぶれ式だか
知らないが 坤生会服で出ツ尻包みイザ鎌倉や大峠 なつた其時や肱鉄処か本当の鉄砲
担いでボンく打つか 打たぬか其処迄は判らぬ 兎に角凛々しい坤生神軍 お姿一目見れ
ば野郎も顔負け舌巻き恐れ入谷の鬼子母神 鬼子母処か鬼ケ島をば見当てにどんどん言霊
鉄砲 打ち抜き打ち抜き鬼の奴共降参さして 金銀財宝瑠璃しゃこ珊瑚 山と分捕り女護ケ島
へとどしどし運び見るもまぶし龍宮の御殿建てずにや置かぬと 其意気込みでウンと気張つ
てやつたりやったり シチヤラカポクポクポク