「山道はいくつもあるが、頂上はひとつ」みたいな言い回しがある。
これは確かにその通りである。

しかしそれを受け取る側がその情景を想像したときに、
「へ〜山の頂上にあるんならやっぱ苦行いるじゃん」
というふうに、修行者によっては、むしろカセになってしまうことはある。

ことばを用いる上で齟齬はつきものである。
「師をも、うたがえ」というのは、ことばを用いる上でのやむを得ない齟齬ができるだけカセにならないように、補う為のものである。