碧巌録(へきがんろく) 第93則? 大光作舞 
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試(こころ)みに挙(こ)す看(み)よ

修業僧あり、大光居誨(たいこうこかい)に問う、「長慶慧稜(ちょうけい)云く、『斎によって慶讃す』と。意旨いかん」。
大光は舞をなす。
僧、礼拝す。
光云く、「箇の何を見てかすなわち礼拝す?」。
僧、舞を作す。
光云く、「この野狐精(いかさまやろう)」。

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本則
ある僧が大光和尚に聞いた、「金牛和尚のことを聞いたら、長慶和尚は、『斎によって慶讃す』と答えられたそうです。 その意味はどういうことでしょうか?」。
すると大光和尚は舞った。それを見た僧は大光和尚を礼拝した。
大光和尚は云った、「お前さん、何でわしを礼拝するんだ?」。
僧は舞った。
大光和尚は云った、「このいかさま野郎!」。
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ある僧が大光(たいこう)和尚に聞いた、「金牛和尚が毎日食事時になると飯樋を抱えて僧堂前に現れ踊りながら、 「菩薩子、ご飯の時だよ!来て召し上がれ!」と言ったと言われます。
この話について1人の僧が「金牛和尚はどういう気持ちでやったのでしょうか?」 と聞いた。
長慶和尚は、『斎によって慶讃す』と答えられたそうです。その意味はどういうことでしょうか?」。
すると大光和尚は舞った。
それを見た僧は大光和尚を礼拝した。
大光和尚は僧に聞いた、「お前さん、何でわしを礼拝するんだ?」。
すると僧は舞った。
大光は「このいかさま野郎!」と叱った。

⇒ 手足が舞い踊る、とは、真理さとり を言ったものである。
  爆発的に 突き動かしてくる。

この修行僧は、主人公、となっての主体性、自由の舞ではなく、こき使われている奴隷の舞である。