碧巌録(へきがんろく)  第62則? 雲門一宝  

挙(こ)す
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雲門文偃、衆に示して云(いわ)く、

「乾坤(けんこん、天と地)の内、宇宙の間、中に一宝(仏性)あり、形山(からだ)に秘在す。灯篭(とうろう)を拈(ねん)じて仏殿(ぶつでん)裏(り)に向い、三門(さんもん、正面の正門、山門)をもって灯篭(てあんどん)上に来たらしむ。」
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本則:
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ある日雲門禅師が修行僧達に示して言った、

「天地宇宙の間に一つの宝がある。それは我々の肉体(身体)の中に秘在している。 手行灯(灯篭)を持って真っ暗な仏殿裏に行き照らし、三門を手行灯(灯篭)の上に乗せる。」


→ 不安は ほとけを 真理さとりを見つけたら、無くなってしまう。
  ほとけは、わたしの外側だけにあるのではない、対象物ではない。
  小五のわたしの胸の中にあった黄金のほとけの立像(りゅうぞう)もある。
  仏殿と正対し、手持ちの灯籠の上に正門を載せる、空(くう)である。
  われわれが、37兆個の細胞の集合体であり、原子にまで分割すれば、一の如し、空(くう)である。
  仏殿が無く、山門が無く、てあんどんが無い。