マザー・テレサが創設した「神の愛の宣教者会」の本部「マザーハウス」=8月26日、AP
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■脳腫瘍の男性が回復、二つ目の「奇跡」と認定されて

貧者の救済に尽力したノーベル平和賞受賞者、マザー・テレサ(1910〜97年)が4日、
カトリック最高位の崇敬対象「聖人」に列せられ、バチカンで列聖式が行われる。

2008年、ブラジル人男性の家族がマザー・テレサに祈り、脳腫瘍の男性が回復したことが
聖人となるのに必要な二つ目の「奇跡」と認定された。

マザー・テレサの生誕記念日(8月26日)の前後には、墓のあるインド東部コルカタの「マザーハウス」に、
多くの人が追悼に訪れていた。貧者に生涯をささげたその遺志はシスター(修道女)たちが受け継ぎ、
孤児院などの施設は139カ国758カ所に増えている。

その活動の原点は、コルカタの「死を待つ人々の家」だ。開設から半世紀以上を経た今も、
ここでは「貧者の中の貧者」が最期のときを待つ。
中に入ると、約100人の収容者が広間に座り、シスターたちの介護を受けていた。【コルカタで金子淳】

■マザー・テレサ

1910年に現在のマケドニア・スコピエに生まれる。高校卒業後、修道女になり、インドに派遣される。
高校で地理と歴史を教えたが、46年に「神の声」を聞き、最も貧しい人々への奉仕に人生をささげることを決意。

50年に「神の愛の宣教者会」を設立し、52年に「死を待つ人々の家」を開設した。
79年にノーベル平和賞受賞。2003年に異例の早さでカトリック教会で「聖人」の前段階の「福者」に列せられていた。

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