古賀政男によって育てられ、テイチクで力を発揮して行くディックミネ、昭和10年(1935)10月発売の「君いずこ」では、ディック本人が訳詞と編曲を担当。
原曲は'SOMEBODY STOLE MY GAL' といい、ビックス・バイダーベックやベニー・グッドマンの楽団の演奏で知られる軽快なナンバー。
「ジーラ・ジーラ」は、フロリダなど日本のダンス・ホールでよく演奏されたアルゼンティン・タンゴで、昭和10年(1935)9月(10月とも)の発売は淡谷のり子とならんでもっとも古い日本語カヴァー。
ディックはこの直後、古賀政男が書いた和製タンゴ「夕べ仄かに」(島田芳文作詞、古賀政男作曲、トーマス・ミスマン編曲)を歌っている他、数多くのタンゴ曲をとりあげている。