「角の三等分」家と呼ばれる人々がいます。「定規とコンパスのみを用いて角を三等分する作図法を発見した」と主張する人々です。「角の三等分」家でマチガッテル系である人を探しているのですが、今のところ、みつけることができないでいます。
定規とコンパスのみを通常の使い方で有限回使って任意の角を三等分することが不可能であることは、すでに証明されています。その事実を知っていていながら角の三等分の作図を発見したと主張するからには、その不可能性の証明を否定し、さらには数学のその分野を否定しているものだと期待していました。ところが、私のみつけることができた「角の三等分」家のだれも、不可能性証明が間違っているとは主張していません。

「角の三等分」家のうち何人かは、自分の発見が近似作図法であり(厳密)作図法でないことを正しく理解しています。にもかかわらず、それを「角の三等分問題の解決」と称するところに勘違いが紛れこんでいる人もいますが、不可能性証明そのものは認めているので、マチガッテル系ではありません。

単に不可能性証明に言及していない人もいました。不可能性証明を知らないのか、知っていても理解できないので無視しているのかはわかりませんが、いずれにしても、言及していないのでマチガッテル系ではありません。

「角の三等分」家にはマチガッテル系でない人が多数(大部分といいたいところですが、単に探しかたが悪いだけの可能性も否定できないので、ひかえめな表現にしておきます)であることは、筆者にとっては大きな発見でした。