1でもわかるガロア理論の総括

■2次方程式の場合
一般にガロア群は2次の対称群S2で、これは位数2の巡回群だから可解
■3次方程式の場合
一般にガロア群は3次の対称群S3で、これは正規部分群A3をもつ(商群S3/A3は位数2の巡回群)
A3は位数3の巡回群 故にS3は可解
■4次方程式の場合
一般にガロア群は4次の対称群S4で、これは正規部分群A4をもつ(商群S4/A4は位数2の巡回群)
A4はクラインの4元群Vを正規部分群としてもつ(商群A4/Vは位数3の巡回群)
Vは位数2の巡回群を正規部分群としてもち、その商群もまた位数2の巡回群である
故にS4は可解
■5次以上の方程式の場合
一般にガロア群はn次の対称群Snで、これは正規部分群Anをもつ(商群Sn/Anは位数2の巡回群)
しかしnが5以上の場合、Anは正規部分群を持たない したがって可解ではない

なお、巡回拡大で巡回群が位数nがの場合、
適切なラグランジュ分解式のn乗が巡回群で不変なので
1のn乗根をもちいて表すことができる
したがってn乗根をとることで方程式の解が求まる
実際、2次、3次、4次の方程式の解法はこれで説明できる