いわゆる有名人の思想は、当人の人格の現れである

トマス・ホッブスの場合
「ホッブズは前提として、人間の自然状態は闘争状態にあると規定する。
彼はまず、生物一般の生命活動の根元を自己保存の本能とする。
その上で、人間固有のものとして将来を予見する理性を措定する。
理性は、その予見的な性格から、現在の自己保存を未来の自己保存の予見から導く。
これは、現在ある食料などの資源に対する無限の欲望という形になる。
人間は、未来の自己保存について予見できるから、
つねに自己保存のために他者より優位に立とうとする。
この優位は相対的なものであるから、際限がなく、
これを求めることはすなわち無限の欲望である。
しかし自然世界の資源は有限であるため、無限の欲望は満たされることがない。
人は、それを理性により予見しているから、
限られた資源を未来の自己保存のためにつねに争うことになる。
またこの争いに実力での決着はつかない。
なぜならホッブズ曰く、個人の実力差は
他人を服従させることができるほど決定的ではないからである。
これがホッブズのいう
「万人は万人に対して狼」
「万人の万人に対する闘争」
である。」