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「父とは地獄だった」偏差値35から東大合格の西岡壱誠が号泣…… 合格発表の前日に父親がとった行動とは?(レビュー)
[レビュアー]BookBang編集部 2023年2月13日
東京大学4年生で作家の西岡壱誠さん

 偏差値35という“どん底”から2浪を経て東京大学・文科II類に合格した経験をもとに、ドラマ『ドラゴン桜』の脚本監修も務めた西岡壱誠(にしおかいっせい)さんは、著書『それでも僕は東大に合格したかった』(新潮社)の中で、合格発表の前日に泣きながら父親と対峙したエピソードを明かしている。同書は小説という体裁を取っているが、基本的に西岡さんの体験したことがもとになっている。いわばドキュメント小説だ。

 西岡さんは、父親との関係を「地獄」だったと語る。理由は、西岡さんが父親に対して抱いていた不信感だ。単身赴任をしている父親とは年に数回しか顔を合わせないという状況で、成績について口うるさく言ってくる態度が特に嫌だったようだ。また、小学校から高校までずっといじめられていた西岡さんに「お前が弱っちいからだ」という言葉を投げかける父親は、味方になってくれないという思いを抱いていた。

 しかし、発表前日に二人きりで本音をぶつけ合ったことで、その「誤解」は解けていく――。
(以下は『それでも僕は東大に合格したかった』をもとに再構成したものです)

年に2回しか合わない父親と、合格発表前日に会うことに……

不器用な父親と「地獄」のような関係だった西岡さんは、受験をきっかけに、お互いの本音をぶつけ合うことで分かり合うことができた。
 西岡さんは『それでも僕は東大に合格したかった』で、それまでの人生の走馬灯を描くように合格発表までの8日間を記している。両親との関係や“師匠”と呼ぶ中学時代の恩師の教え、実践した勉強法などが綴られているが、西岡さんが受験生の時にどんな思いでいたか、まるで追体験しているかのようにダイレクトに伝わって来る。
 受験は1人で受けるものだが、そこに至るまでには多くの人がかかわっている。そんな当たり前のことに改めて気づかされることだろう。