>>270
つづき

・平面上の単連結な開集合は非常に難しい。例えば、集合それ自身は有界であったとしても、境界は無限の長さをもついたるところで微分可能でなくフラクタルな曲線が存在する。そのような集合が角度を保持するような方法でうまく正規な円板に写像することができるという事実は、直感に反するように見える。
・さらに複雑な領域のリーマンの写像定理の類似は正しくない。次に単純である場合は、二重連結な領域(doubly connected domain)(一つだけ穴を持った領域)である。穴のあいた円板や任意のや穴のあいた平面を除く任意の二重連結領域は、アニュラス、つまり、0 < r < 1に対し {z : r < |z| < 1} に共形同値であるが、反転(inversion)や定数倍を除いて、アニュラスの間には共形写像は存在せず、従ってアニュラス {z : 1 < |z| < 2} はアニュラス {z : 1 < |z| < 4} は共形同値ではない(極限での長さ(英語版)(extremal length)を応用して証明することができる)。
・リーマンの写像定理の 3次元やそれ以上の実次元の類似は正しくない。3次元の共形写像の族は非常に貧弱で、本質的にはメビウス変換しか持っていない。
・たとえ高次元で任意の同相写像がありえたとしも、可縮な多様体は球体(ball)と同相(例えば、ホワイトヘッド連続(英語版)(Whitehead continuum))ではありえないことが分かる。
・リーマンの写像定理は、平面内の2つの単連結な領域が同相であることを証明する最も簡単な方法である。たとえ連続写像のクラスが共形写像のクラスよりも非常に大きいとしても、領域が単連結であることのみが分かっている円板の上への 1 対 1 の函数を構成することは容易ではない。

つづく